
電通「2025年 日本の広告費」の総広告費は8兆623億円、前年比105.1%です。マスコミ四媒体2兆2,980億円、インターネット4兆459億円、プロモーションメディア1兆7,184億円という3区分に分かれ、プロモーションメディアはイベント・展示・映像ほか4,748億円、屋外3,042億円、ダイレクト・メール2,708億円、折込2,354億円、交通1,736億円、POP1,540億円、フリーペーパー1,056億円の7区分です。この中にFAXという項目はありません。
したがって、FAXによる集客が市場全体で伸びているのか縮んでいるのかは、一次情報では言えません。 「まだ使われている」とも「もう使われていない」とも書けない状態です。
最も性質が近いのはダイレクト・メール2,708億円(前年比94.6%)ですが、これは郵送物の区分であり、FAXとは届き方も費用構造も違います。DMは受け取る側に費用が発生せず、FAXは受け取る側の用紙とトナーを消費します。 この差は、後述する苦情の発生のしかたに直結するため、同一視できません。
送信単価と反応率についても、媒体別の費用相場は一次情報として取得できておらず、このページでは金額を示しません。外部の相場を使えない前提で、自店の送信結果だけを根拠にする進め方になります。
隣接する区分の動きは取れます。折込2,354億円は前年比96.4%、ダイレクト・メール2,708億円は94.6%、フリーペーパー1,056億円は80.9%、新聞3,136億円は91.8%で、紙で届ける系はそろって縮んでいます。
同じプロモーションメディアでも屋外3,042億円は105.3%、交通1,736億円は108.6%と伸びており、インターネットは4兆459億円・前年比110.8%・構成比50.2%で初めて半数を超えました。市場全体が105.1%で伸びる中、縮んでいるのは紙で届ける系に集中しているという構図です。
ここからFAXについて言えるのは、紙を相手方の手元へ届ける手段が全体として出稿額を減らしている、というところまでです。FAXだけが例外的に伸びていると考える根拠も、同じ比率で縮んでいると考える根拠も、どちらもありません。
苦情の件数についても一次情報を持っていません。国民生活センターのPIO-NETで公表されているのは訪問購入や点検商法などの相談カテゴリで、FAX広告に関する相談件数はこのページでは示しません。 苦情が多いとも少ないとも書かず、自社に入った苦情の記録で判断してください。
FAXという手段の判断が難しいのは、送信先リストの中身が一様でないためです。事業所の番号、店舗の番号、自宅兼事務所の番号が同じリストに混ざります。買取業では、この混在がそのまま法規制の混在になります。
特定商取引法の訪問購入は、購入業者が営業所等以外の場所で売買契約の申込みを受けまたは締結して行う物品の購入を指します(第58条の4)。そして第58条の17第1項第1号は、売買契約の申込みをした者または相手方が営業のために若しくは営業として締結するものに係る訪問購入には、この章の規定を適用しないと定めています。
つまり、相手が事業者として自社の物品を売る取引なら、訪問購入の規定はかかりません。 一般消費者から買い取る取引ならかかります。同じFAX原稿を両方に送っていると、返信を受けた時点でどちらの規律の下にいるのかが分からなくなります。
実務上の対処は単純です。送信リストを、事業者向け・一般消費者向け・古物商向けの3つに分け、原稿と応対手順も3つに分けてください。 分けられないリストは、最も規制の厳しい一般消費者向けの手順で扱うことになります。
| 送信先 | 特定商取引法(訪問購入) | 古物営業法で先に確認すること |
|---|---|---|
| 一般消費者 | かかる。要請はFAXではなく相手の返信で生まれる(第58条の6) | 受け取れるのは営業所または相手方の住所・居所(第14条第1項) |
| 事業者(営業として売る) | 適用除外(第58条の17第1項第1号) | 法人の事務所が相手方の住所・居所に当たるかは条文で確定できない。営業所へ持ち込むか仮設店舗の届出で疑義を消す |
| 古物商 | 適用除外(営業として締結するもの) | 第14条第1項の禁止は古物商以外の者からの受取にかかる。古物市場では古物商間でのみ売買・交換(第14条第3項) |
| いずれも共通 | — | 確認義務(第15条第1項)、帳簿記載(第16条)、3年保存(第18条第1項) |
| 罰則 | — | 第14条第1項違反は1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金(第32条)。第15条第1項・第18条第1項違反、第16条の記載義務違反は6月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金(第33条) |
| 表示 | — | 景品表示法の5類型は媒体を問わずかかる。FAXは送信後に差し替えられない |
廃業・移転・在庫処分の案内として事業者へ送る形は、訪問購入の適用除外(第58条の17第1項第1号)に入る可能性があります。ただし適用除外になるのは特定商取引法の側だけで、古物営業法はそのままかかります。
古物営業法第14条第1項は、営業所または取引の相手方の住所・居所以外の場所で、古物商以外の者から古物を受け取ってはならないと定めています。仮設店舗については、日時と場所をあらかじめ管轄の公安委員会へ届け出れば受け取れるという但書があります。違反は第32条により1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金です。
ここで判断が必要になるのは、相手が法人である場合に、その事務所や倉庫が条文にいう「相手方の住所・居所」に当たるかどうかです。条文の文言だけでは確定できません。 疑義を残さない形は2つあります。自店の営業所へ持ち込んでもらうか、受け取る日時と場所をあらかじめ仮設店舗として届け出るかです。
相手が古物商である場合は、第14条第1項の禁止は「古物商以外の者から」受け取ることにかかっているため、この条項の制約から外れます。送信リストを3つに分ける理由は、原稿の書き分けではなく、受け取れる場所がリストごとに違うことにあります。
一般消費者へ送る場合、線を引くのは第58条の6です。第1項は、勧誘の要請をしていない者に対し、営業所等以外の場所で売買契約の締結について勧誘をし、または勧誘を受ける意思の有無を確認することを禁じています。第2項は勧誘に先立って勧誘を受ける意思があることを確認しない勧誘を、第3項は締結しない旨の意思を表示した者への勧誘を禁じています。
こちらから送ったFAXは、相手からの要請ではありません。 要請が生まれるのは、それを見た相手が返信または電話で買取を依頼したときです。そして要請の範囲は、その依頼で示された品目までです。
国民生活センターに寄せられる相談で繰り返し登場する型は「不用品や和服の買い取りのはずが貴金属を買い取られた」というもので、古本・洋服・食器などを名目に訪問して貴金属を買い取る手口が中心です。FAXに書いた品目と、訪問先で持ちかける品目が違えば、その品目については要請が無い状態になります。
訪問時にかかる義務は、勧誘に先立つ氏名・勧誘目的・物品の種類の明示(第58条の5)、書面の交付(第58条の7・第58条の8)、引渡しの拒絶に関する告知(第58条の9)、第三者へ引き渡した場合の通知(第58条の11)、法定書面を受け取った日から数えて8日以内のクーリング・オフ(第58条の14)です。2026年8月4日、九州経済産業局は宝石・貴金属・時計等の中古品を扱う3社に対し、業務停止命令9か月と指示、代表者への業務禁止命令9か月を出しました。 違反行為は氏名等の明示義務違反、書面の交付義務違反、引渡しの拒絶に関する告知義務違反、勧誘の要請をしていない者への勧誘、締結しない旨の意思を表示した者への勧誘、勧誘を受ける意思を確認しないで行う勧誘です。手続き義務の不履行と勧誘規制違反だけで並んでいます。
買取業のFAXには、消費者向けとは別に、同業者や古物市場へ向けた案内という使い方があります。ここでかかるのは第14条第3項です。古物市場においては、古物商間でなければ古物を売買し、または交換することができません。
取引時の義務については、条文の置かれ方を確認してください。第15条第1項は、買受け・交換・委託を受けようとするときに相手方の真偽を確認する措置をとる義務を定めています。第15条第2項が定める例外は、対価の総額が国家公安委員会規則で定める金額未満の取引(規則で定める古物を除く)と、自己が売却した物品をその相手方から買い受ける場合の2つです。 相手が古物商であることを理由とする除外は、この項に置かれていません。
帳簿の義務も同じです。第16条は、古物を受け取ったとき・引き渡したときにその都度、取引の年月日、品目及び数量、古物の特徴、相手方の住所・氏名・職業・年齢、第15条第1項でとった措置の区分を記載する義務を定め、第18条第1項は最終記載の日から3年間の備付けを定めています。同業間の取引だから記載を省けるという規定にはなっていません。
罰則の重さも確認しておいてください。第15条第1項および第18条第1項の違反は第33条第1号により6月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金、第16条の記載義務違反と虚偽記載は第33条第2号により同じ罰です。2022年の刑法改正で懲役と禁錮は拘禁刑に一本化され、2025年6月1日に施行されています。
既存客へ送る形を考えると、手元にある名簿の中で最も整っているのは古物営業法第16条の帳簿です。取引の年月日、品目及び数量、古物の特徴、相手方の住所・氏名・職業・年齢が並び、第18条第1項により最終記載の日から3年分が営業所に備え付けられています。
この帳簿は、盗品等の流通を防ぐために作成と備付けが義務づけられた記録です。 営業案内の送信先名簿として使う前提で設計された記録ではありません。転用しようとする前に、自社が取得時に示した利用目的の範囲に収まるかを社内で確認してください。ここは古物営業法ではなく個人情報保護法の側の論点になるため、このページでは条文の詳細を示しません。
測定の面では、帳簿は別の使い方ができます。第18条第1項により3年分がどの店にも必ず存在するため、業界平均が無くても自店の数字は帳簿から作れます。 品目ごとの成立点数、その原価、受け取りから引き渡しまでの日数は、帳簿と売却記録の突き合わせで出せます。
FAXの効果を測るとき、外部に比較対象を求める必要はありません。送信した週と送信しなかった週で、帳簿に記載された点数と原価がどう動いたかを比べれば足ります。
消費者庁は令和6年4月18日に「景品類等の指定の告示の運用基準について」を改定し、買取サービスも景品表示法の規制対象になり得ることを明確化しました。運用基準3⑷は、物品を査定するなどして金銭と引き換える役務を提供していると認められる場合、それが「自己の供給する役務の取引」に当たると規定しています。媒体がFAXであることによる例外はありません。
令和7年4月30日の「買取サービスに関する実態調査報告書」は、問題になりやすい表示を5類型に整理しています。買取参考価格・買取実績価格、買取価格アップ、買取価格保証、何でも買取り、どこよりも高く買取りの5つです。買い取った実績のない金額を買取実績価格と表示すること、競合他社の買取価格を何ら調査せずに買取価格地域No.1と表示することが、名指しで問題として挙げられています。
FAXに固有の事情は、送信した紙を回収できないことと、受け取った側の手元に紙として残ることです。 ウェブページのように後から差し替えることも、配信を止めることもできません。期限つきの表現を書けば、その紙は期限を過ぎても相手の手元に残ります。報告書は、1月末までと表示して2月以降も同内容を継続する例をキャンペーンの常態化として挙げています。
対処は、送信前に原稿から金額と期限を外すことです。強調表示を行うなら、例外があるときは打消し表示を分かりやすく適切に行うことになりますが、1枚の紙に条件を書き切れないなら、その表現自体を使わない判断のほうが早く済みます。 買い取る品目を列挙する形にしてください。
事業者向けFAXが成果を出したとき、返ってくるのは廃業や移転にともなう一括買取の相談です。買取業では成約した時点で出ていくのは現金、入ってくるのは在庫で、査定額がそのまま仕入原価になります。一括買取は、この構造の振れ幅が最も大きい形です。
中小企業実態基本調査(令和6年確報・令和5年度決算実績、法人企業・小売業)では、従業者5人以下の在庫回転期間は55.9日、粗利率31.7%、営業利益率0.2%です。従業者6〜20人は32.6日、31.2%、1.5%でした。粗利率がほぼ同じなのに営業利益率が7倍以上開いており、差は在庫が現金に戻るまでの速度で付いています。 買取業に限定した統計ではなく中小小売業全体の値なので、自店の数字を当てる物差しとして使ってください。
一括買取では、点数が多いほど売り切るまでの日数が伸びます。55.9日の側に近い店が一括で仕入れると、次の月の買取原資が先に尽きます。 事業者向けの送信を増やす前に、1件あたりいくらまでなら引き受けられるかの上限を決めてください。
上限を決める材料は自店の帳簿にあります。過去の一括買取について、受け取った点数、原価の合計、最後の1点が売れるまでの日数を並べれば、実際に拘束された期間が出ます。平均ではなく最も長かった事例で上限を決めると、資金繰りが止まりません。
FAXの成果指標を送信通数や返信率に置くと、買取業では判断を誤ります。反応を増やす最も手早い方法は買取価格の引き上げで、それは仕入原価の引き上げと同じ操作だからです。 返信が増えたのか、原価を上げて返信を買ったのかを、返信率では区別できません。
記録する項目は4つです。来店または訪問に至った件数、買取が成立した点数、その原価の合計、売却までの日数。 この4つは第16条の帳簿と売却記録から作れます。
リスト別に分けて記録してください。事業者向け・一般消費者向け・古物商向けで、成立する取引の大きさも売却までの日数も違います。1つの平均にまとめると、どのリストが現金を止めているかが見えなくなります。
買取市場のチャネル構成比は、2023年で店頭買取78.2%、出張買取10.0%、宅配買取9.5%です(買取市場規模13,274億円、消費者庁の実態調査報告書に掲載された数値)。8割近くは客が自分で持ってくる取引なので、送信範囲が持ち込める距離を超えた分は、返信が来ても成立まで届きにくくなります。 送信先の所在地を、自店から持ち込める距離と突き合わせてから送ってください。
| # | チェック項目 |
|---|---|
| 1 | 送信リストを、一般消費者向け・事業者向け・古物商向けの3つに分けたか |
| 2 | 分けられないリストを、最も規制の厳しい一般消費者向けの手順で扱う運用にしたか |
| 3 | 一般消費者向けの原稿に書いた品目と、訪問時に扱う品目が一致する運用になっているか |
| 4 | 返信・入電を受けたとき、依頼された品目・訪問先・日時を記録する手順があるか |
| 5 | 事業者から一括買取の相談を受けたとき、受け取る場所を営業所にするか仮設店舗の届出をするかを決めているか |
| 6 | 仮設店舗で受け取る場合、日時と場所をあらかじめ管轄の公安委員会へ届け出たか(古物営業法第14条第1項ただし書) |
| 7 | 同業間の取引でも、確認措置(第15条第1項)と帳簿記載(第16条)を省いていないか |
| 8 | 送信先リストを古物営業法第16条の帳簿から転用していないか。転用する場合、利用目的の範囲を社内で確認したか |
| 9 | 原稿から、相場で動く買取価格と期限つきの表現を外したか |
| 10 | 買い取った実績のない金額を、買取実績価格として表示していないか |
| 11 | 地域No.1などの表示を出す場合、競合他社の買取価格を調査した記録があるか |
| 12 | 「何でも買取り」ではなく、買い取る品目を列挙する形にしているか |
| 13 | 1件あたり引き受けられる一括買取の上限額を、過去の帳簿から決めてあるか |
| 14 | 送信先の所在地を、自店に持ち込める距離と突き合わせたか |
| 15 | 測定を送信通数や返信率ではなく、成立点数・原価・売却までの日数で行っているか |
1つの原稿を1つのリストへ一斉に送り、返信を受けてから相手が事業者か一般消費者かを知る状態です。特定商取引法第58条の17第1項第1号により、営業のためにまたは営業として締結する売買に係る訪問購入には訪問購入の規定が適用されませんが、一般消費者からの買取にはそのままかかります。どちらの規律の下にいるかが返信時点まで分からないと、第58条の5の明示や第58条の7の書面交付を用意しないまま訪問することになります。リストと原稿と応対手順を3つに分け、分けられないリストは一般消費者向けの手順で扱ってください。
事業者からの一括買取を、相手の倉庫や事務所でそのまま受け取る状態です。古物営業法第14条第1項は、営業所または取引の相手方の住所・居所以外の場所で古物商以外の者から古物を受け取ることを禁じており、違反は第32条により1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金です。相手が法人の場合にその事務所が条文にいう住所・居所に当たるかは、条文の文言だけでは確定できません。営業所へ持ち込んでもらうか、日時と場所をあらかじめ管轄の公安委員会へ届け出て仮設店舗として受け取るかで、疑義を残さない形にしてください。
返信率を成果指標に置き、返信を増やすために買取価格の訴求を強めていく状態です。買取業で反応を増やす最短手段は買取価格の引き上げで、それは仕入原価の引き上げと同じ操作です。中小小売業では従業者5人以下の在庫回転期間が55.9日、粗利率31.7%に対して営業利益率0.2%、6〜20人は32.6日・31.2%・1.5%で、粗利率がほぼ同じでも回転で差が付いています。一括買取が入れば1件あたりの拘束額はさらに大きくなります。指標は成立点数・原価の合計・売却までの日数に置き、1件あたりの上限額を過去の帳簿から先に決めてください。
| 質問 | 回答 |
|---|---|
| FAXによる集客は、今も有効な手段ですか | 一次情報では判断できません。電通「2025年 日本の広告費」の媒体分類にFAXという項目がなく、市場全体で伸びているのか縮んでいるのかを示す数字がないためです。最も近いダイレクト・メール2,708億円(前年比94.6%)は郵送物の区分で、受け取る側に費用が発生しない点でFAXとは違います。借りられるのは、折込96.4%、ダイレクト・メール94.6%、フリーペーパー80.9%、新聞91.8%と紙で届ける手段がそろって縮んでいるという方向までです。有効かどうかは、自店の送信結果と帳簿の数字で判断してください。 |
| FAXの送信単価や反応率の相場を教えてください | このページでは金額も率も示しません。媒体別の費用相場は一次情報として取得できておらず、根拠のある数値を出せないためです。電通の統計に項目自体がないため、市場規模から単価を推し量ることもできません。判断材料は自店で作れます。古物営業法第18条第1項により第16条の帳簿は最終記載の日から3年分が営業所に備え付けられているため、送信した週と送信しなかった週で、成立した点数と原価がどう動いたかを比べれば足ります。 |
| 事業者向けにFAXを送って一括買取をする場合、特定商取引法はかかりますか | 相手が営業のためにまたは営業として締結する売買であれば、第58条の17第1項第1号により訪問購入の章の規定は適用されません。ただし適用除外になるのは特定商取引法の側だけで、古物営業法はそのままかかります。第14条第1項は営業所または取引の相手方の住所・居所以外の場所で古物商以外の者から古物を受け取ることを禁じており、相手が法人の場合にその事務所が住所・居所に当たるかは条文の文言だけでは確定できません。営業所へ持ち込んでもらうか、仮設店舗として日時と場所を事前に届け出るかで疑義を消してください。 |
| FAXを送った相手の家へ、そのまま買取に伺ってもよいですか | こちらから送ったFAXは要請ではありません。特定商取引法第58条の6第1項は、勧誘の要請をしていない者に対し営業所等以外の場所で売買契約の締結について勧誘をし、または勧誘を受ける意思の有無を確認することを禁じています。第2項は勧誘を受ける意思を確認しないで勧誘することを、第3項は締結しない旨の意思を表示した者への勧誘を禁じています。要請は、FAXを見た相手が返信や電話で買取を依頼したときに生まれ、その範囲は依頼された品目までです。2026年8月4日には、勧誘の要請をしていない者への勧誘や書面の交付義務違反などを理由に、九州経済産業局が3社へ業務停止命令9か月と指示、代表者への業務禁止命令9か月を出しています。 |
| 同業者や古物市場へ送るFAXなら、記帳や確認は不要ですか | 不要にはなりません。古物営業法第15条第2項が定める確認義務の例外は、対価の総額が国家公安委員会規則で定める金額未満の取引(規則で定める古物を除く)と、自己が売却した物品をその相手方から買い受ける場合の2つで、相手が古物商であることを理由とする除外はこの項に置かれていません。第16条の帳簿記載義務と第18条第1項の3年保存も同様です。なお第14条第3項により、古物市場では古物商間でなければ古物を売買・交換できません。第15条第1項・第18条第1項の違反は第33条第1号により6月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金です。 |
| 送信先リストを、これまでの買取のお客様から作ってもよいですか | 古物営業法第16条の帳簿をそのまま名簿に転用する形は避けてください。この帳簿は取引の年月日、品目及び数量、古物の特徴、相手方の住所・氏名・職業・年齢を記載し、第18条第1項により3年間備え付ける記録で、盗品等の流通を防ぐために義務づけられたものです。営業案内の送信先名簿として設計された記録ではありません。転用の可否は取得時に示した利用目的との関係で決まり、これは古物営業法ではなく個人情報保護法の側の論点になるため、このページでは詳細を示しません。社内で利用目的を確認してから判断してください。 |
| 原稿に「高価買取」「どこよりも高く」と書いてもよいですか | 根拠がないまま書くことはできません。令和6年4月18日の運用基準改定で、買取サービスも景品表示法の規制対象になり得ることが明確化されています。消費者庁「買取サービスに関する実態調査報告書」(令和7年4月30日)は、どこよりも高く買取りを5類型の1つに挙げ、競合他社の買取価格を何ら調査せずに買取価格地域No.1と表示する場合を問題として示しています。FAXは送信後に差し替えも停止もできず、紙として相手の手元に残ります。期限つきの表現は、期限を過ぎても残り続けます。金額と期限は送信前に原稿から外し、買い取る品目を列挙する形にしてください。 |
扱う商材によって、不要品の発生量も、値段が付くかどうかも、どこに売られるかも変わります。FAXをジャンル別に見たページを用意しています。
店舗を構えるか、出張に出るか、宅配で受けるか。買取形式によって前提となる商圏も、かかる規制も変わります。


