
環境省のリユース市場規模調査は、2012年、2015年、2018年、2021年、2024年と3年ごとに同じ設計で実施されています。設問が変わっていないため、経年比較ができます。
この調査で、過去1年間に自らが使わなくなった製品を売却・引渡しした経験を聞いています。2024年調査で、これまでの傾向が2つ反転しました。
| 売却・引渡しの経路 | 2015年 | 2018年 | 2021年 | 2024年 |
|---|---|---|---|---|
| フリマアプリで売却 | 2.0% | 7.5% | 11.0% | 9.9% |
| リユースショップ・中古品販売店で売却 | — | — | 減少傾向 | 14.3% |
| インターネットオークションで売却 | — | — | — | 4.9% |
| 家族・知人などへの譲渡・引渡し | — | — | — | 3.7% |
| 不用品回収業・片付けサービス業などに引渡し | — | — | — | 3.4% |
| 郵送・宅配での買取サービスで売却・引渡し | — | — | — | 3.0% |
| 過去1年間で利用したことはない | 60.5% | 66.4% | 68.7% | 70.0% |
フリマアプリでの売却は2015年2.0%、2018年7.5%、2021年11.0%と急拡大してきました。2024年は9.9%で、調査開始以来はじめて前回調査を下回っています。
一方、リユースショップ・中古品販売店での売却はこれまで減少傾向にありましたが、2024年調査では14.3%と増加に転じました。
購入側でも同様の動きがあります。「リユースショップ・中古品販売店の店頭で購入」はこれまで減少傾向でしたが2024年は11.2%で増加に転じ、インターネットオークションとインターネットショッピングサイトはどちらも減少傾向です。なおフリマアプリでの購入は12.7%で、購入先としては引き続き最多です。
この動きは経済産業省の調査とも一致します。「電子商取引に関する市場調査」によれば、2024年のCtoC-EC市場規模は2兆5,269億円で、前年比1.82%増でした。
金額としては拡大していますが、伸び率は明確に鈍っています。個人間取引が一方的に伸び続ける局面は終わったと見るのが妥当です。
ここは慎重に読む必要があります。「過去1年間で利用したことはない」と答えた人は、2012年57.7%、2015年60.5%、2018年66.4%、2021年68.7%、2024年70.0%と一貫して増えています。
購入側でも同様で、「利用したことがない」は2024年で71.2%です。
つまり、リユースの利用者そのものは広がっていません。フリマアプリからリユースショップへ、既存の利用者が移動しているという読み方のほうが実態に近いはずです。
2024年調査では世代別の内訳も出ています。購入で「利用したことがない」割合は10・20代が63.2%、60代以上が76.1%で、約13ポイントの差があります。特に40代と50代の間に大きな段差があり、40代より若い世代のほうがリユースに積極的です。
経路別では、フリマアプリでの購入は10・20代が20.8%に対し60代以上は8.0%。リユースショップ店頭での購入は40代が最も多く15.1%。インターネットオークションでの購入は50代10.9%、40代10.7%が中心です。
売却側では、リユースショップでの売却は30代が60代以上より4.1ポイント高く、郵送・宅配買取での売却も30代が60代以上より2.4ポイント高くなっています。
店頭買取の中心は30〜40代、フリマアプリは10〜20代という住み分けが数字で確認できます。
「フリマアプリに客を取られ続けている」という前提で戦略を立てているなら、見直す時期に来ています。少なくとも2024年時点の公的統計は、その前提を支持していません。
同時に、市場全体の利用者が増えていない以上、他社やフリマアプリから移ってきた層をどう取り込むかが論点になります。新規需要の掘り起こしを期待して待つ設計は、この数字を見る限り成立しにくいはずです。



