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取扱ジャンルの選定:ジャンルを決めることは、許可申請で届け出る区分を決めること

取扱ジャンルの選定は、市場規模と競合を見て決める話として語られます。買取業ではそれだけでは足りません。古物営業法の許可申請で取扱う古物の区分を届け出るため、ジャンルの選択がそのまま法定の運用条件の選択になります。区分によって、対価1万円未満の本人確認が免除されるかどうか(施行規則第16条の例外7品目)、盗品が持ち込まれる頻度(令和7年の不正品申告129件は上位3区分に90件が集中)、客が持ち運べる距離で決まる商圏の広さ、在庫の体積と滞留日数が変わります。開業準備で先に決めるべきはジャンルで、出店形態・立地・集客はその後に乗る変数です。このページは、区分ごとに何が変わるかを一次情報だけで並べます。
立ち上げ課題 🕐 2026-08-31 / 買取ラボ編集部
取扱ジャンルの選定:ジャンルを決めることは、許可申請で届け出る区分を決めること

ジャンルの選定は、法定の運用条件の選定である

古物営業法の許可は、取扱う古物の区分とともに申請します。区分は13に分かれ、令和7年中の警察庁統計では美術品類、衣類、時計・宝飾品類、自動車、自動二輪車及び原動機付自転車、自転車類、写真機類、事務機器類、機械工具類、道具類、皮革・ゴム製品類、書籍、金券類として集計されています。ジャンルを決めることは、この区分のどれを届け出るかを決めることです。

一般の小売業なら、扱う商材を変えても仕入・販売の手続きは基本的に同じです。買取業は違います。区分によって、取引ごとに踏む手続きの数が変わります。対価1万円未満で本人確認が免除されるか、少額でも毎回確認と記帳が要るか、不正品が持ち込まれる頻度がどれくらいか、いずれも区分ごとに条件が違います。

この差は、開業後に効いてきます。1件あたりの手続きが重い区分で、客単価の低い商材を大量に扱えば、粗利に対して人件費が過大になります。逆に高単価で点数が少ない区分は、1件あたりの手続きは軽くなりますが、真贋の判断に人が要ります。ジャンルの選定は、必要な人員の設計とほぼ同じ意思決定です。

ここから先の順序も決まります。持ち運べる大きさが商圏の広さを決め、在庫の体積が営業所の面積と資金拘束を決め、客層がどの媒体で届くかを決めます。出店形態も立地も集客も、ジャンルの下流にあります。

1万円未満で本人確認を省けるかどうかが、区分で分かれる

古物営業法第15条第1項は、買受け・交換・委託を受けようとするときに相手方の真偽を確認する措置を義務づけています。第15条第2項第1号により、対価の総額が国家公安委員会規則で定める金額未満の取引は免除されます。その金額は施行規則第16条第1項で1万円と定められています。

ただし同条第2項は例外を7品目挙げており、金額に関係なく確認が要ります。一号は自動二輪車および原動機付自転車(部分品を含む。ねじ・ボルト・ナット・コード等の汎用部分品は除く)、二号はエアコンディショナーの室外ユニットと電気温水機器のヒートポンプ、三号は専ら家庭用コンピュータゲームに用いられるプログラムを記録した物、四号は光学的方法により音または影像を記録した物、五号は電線、六号は金属製のグレーチング、七号は書籍です。

この7品目は、盗難品が流れやすいものとして名指しされています。一号・二号は車両とエアコン室外機の窃盗、五号・六号は金属盗、三号・四号・七号は万引き品の転売が背景にあります。ジャンルの選定でこれらに触れるかどうかは、防犯上の位置づけを引き受けるかどうかの判断でもあります。

記帳義務にも同じ例外が効きます。法第16条ただし書は「前条第2項各号に掲げる場合」を除外しているため、確認が免除される取引は記帳も免除され、逆にこの7品目は少額でも記帳が要ります。ゲームソフト・CD/DVD・書籍を扱う店は、単価数百円の買取でも毎回、住所・氏名・職業・年齢の確認と記帳を行うことになります。貴金属やブランド品は1万円を下回ることが少ないため、この論点はあまり効きません。同じ「買取店」でも、区分によってカウンター1件あたりの所要時間が変わります。

不正品申告は、上位3区分に約7割が集中している

令和7年中の古物商による不正品申告は129件でした。区分別の内訳は、道具類37件、時計・宝飾品類31件、機械工具類22件、書籍17件、事務機器類5件、美術品類4件、皮革・ゴム製品類4件、衣類2件、自動車2件、自動二輪車及び原動機付自転車2件、自転車類2件、その他1件、写真機類0件、金券類0件です。

上位3区分(道具類・時計宝飾品類・機械工具類)で90件、全体の約7割を占めます。この3区分を主力に据えるなら、第15条第3項が定める「不正品の疑いがあると認めるときは直ちに警察官へ申告する」義務が、日常業務として動く前提になります。判断する人を置き、判断の基準を持つ体制が要ります。

0件の区分を「安全」と読まないでください。写真機類0件・金券類0件は、申告に至った件数が0だったという意味です。持ち込みが無かったことの証明にも、疑いが無かったことの証明にもなりません。区分ごとの濃淡を見るための数字であって、リスクの有無を断定する数字ではありません。

第13条第3項は、管理者に不正品かどうかを判断するために必要な知識・技術・経験を得させる努力義務を定めています。令和7年中の古物商等管理者講習は150回・19,602人(うち自動車47回・4,618人)が受講しています。申告件数の多い区分を選ぶなら、この努力義務を実際の研修計画に落とすところまでが選定の一部です。なお令和7年中の古物営業法違反の検挙は19件・12人で、態様別では無許可7件、身分確認3件、帳簿等記載3件ほかでした。

区分ごとに、1件あたりの手続き・持ち込まれ方・在庫の性質が変わる

ジャンル(区分の例)1万円未満の本人確認令和7年の不正品申告商圏と在庫の性質
時計・宝飾品類免除される(施行規則第16条第1項)。ただし1万円を下回る取引が少ない31件(2番目に多い)小型・高単価。催事と宅配が成立。面積の制約は小さい
道具類免除される37件(最多)対象が広く、体積も単価も幅がある
機械工具類免除される22件(3番目)重量物が多く、運搬手段が商圏を決める
書籍免除されない(第16条第2項七号)17件少額多点数。記帳の工数が積み上がる。古本小売業は店頭販売97.6%
家庭用ゲームソフト/光学メディア免除されない(第16条第2項三号・四号)—(区分としては道具類等に含まれる)宅配のシェアが高い(ソフト・メディア類18.7%)。有償売却87.4%で競争が激しい
自動二輪車・原動機付自転車免除されない(第16条第2項一号)2件市場は2,959億円。保管面積と移動手段が要る
写真機類免除される0件(申告に至った件数が0)カメラ・周辺機器は有償売却92.3%で競争が激しい
美術品類(骨とう品)免除される4件骨とう品小売業は2016年比△38.5%。事業所387所
生活家電・家具エアコン室外機等は免除されない(第16条第2項二号)—テレビ・洗濯機・冷蔵庫・エアコンは費用負担44.0%、家具類26.4%。面積が上限になる

品目別の市場規模は、伸びている品目と縮んでいる品目が分かれている

環境省「令和6年度リユース市場規模調査」の2024年推計は、自動車・バイクを含む全体で3兆4,986億円、自動車・バイクを除くと1兆2,813億円です。これは消費者が中古品を買った総額の推計で、事業者向けや海外販売は含みません。

品目別(全体に占める比率)は、自動車1兆9,213億円(54.9%)、バイク・原付2,959億円(8.5%)、ブランド品2,208億円(6.3%)、ブランド品を除く衣類・服飾品1,099億円(3.1%)、楽器類1,011億円(2.9%)、パソコン・周辺機器901億円(2.6%)、テレビ・洗濯機・冷蔵庫・エアコン814億円(2.3%)、書籍787億円(2.2%)です。自動車だけで全体の5割超を占めており、自動車を含めた数字と除いた数字を混ぜると桁を間違えます。

成長率は全体で2021年比+2.8%(+938億円)、自動車・バイクを除くと+3.9%(+486億円)で、伸びは鈍いというのが実態です。そのなかで10%以上増えた品目は玩具・模型、携帯電話・スマートフォン、楽器類、バイク・原付、ゲーム機器。10%以上減った品目はベビー・こども用品でした。

この数字は購入側の市場規模であって、買取の仕入れ規模ではありません。買取側は、消費者庁の実態調査報告書が掲載する買取市場規模が使えます。2018年7,843億円から2023年13,274億円へ伸びており、2023年のチャネル別構成比は店頭買取78.2%・出張買取10.0%・宅配買取9.5%です。定義の違う2系統なので、並べて割り算しないでください。

事業所ベースで見ると、骨とう品は5年で38.5%縮んでいる

消費者の購入額とは別に、事業所ベースの実額が経済センサス-活動調査にあります。基幹統計で、日本標準産業分類の細分類コードによって定義が確定しているため、どの業種を数えたかを明示できます。

2021年の年間商品販売額は、中古品小売業(骨とう品を除く)4,511億円(構成比66.8%)、古本小売業1,163億円(17.2%、2016年1,274億円から△8.7%)、中古電気製品小売業698億円(10.3%)、骨とう品小売業378億円(5.6%、2016年613億円から△38.5%)。中古自動車小売業を除く4業種の合計は6,750億円です。参考として自動車中古部品卸売業は2,508億円(+3.6%)でした。

骨とう品小売業の△38.5%は、この統計で最も大きい減少です。美術品類・骨とう品を主力に据えるなら、市場が縮んでいる領域で始めるという前提になります。一方、中古品小売業(骨とう品を除く)と中古電気製品小売業の合計5,209億円は、2016年の5,246億円とほぼ横ばいです。

事業所数は5業種合計16,042所で、中古自動車小売業が69.6%(11,168所)を占めます。中古自動車小売業の事業所数は2016年の21,556所から11,168所へ48.2%減少しています。統計の捕捉方法の変更も影響しますが、店舗集約が進んでいる読み方になります。中古品小売業(骨とう品を除く)3,301所、古本小売業671所、中古電気製品小売業515所、骨とう品小売業387所です。古物商等の許可件数が令和7年末で615,194件あるのに対し、事業所として捕捉されている数はこの規模であるという差も、参入判断の材料になります。

ジャンルは、客が持ち運べる距離で商圏の広さを決めている

買取業の商圏は、客がモノを持って来られる距離で決まります。これは他の小売業と逆向きの制約です。客は手ぶらで来店するのではなく、売るモノを運んできます。ジャンルが決まった時点で、来店できる範囲がおおむね決まります。

環境省の品目別データがこの構造を示しています。「リユースショップ・中古品販売店に持っていき、売却した」割合は、ゲーム機器72.3%、書籍37.3%、ソフト・メディア類32.8%、ブランド品を除く衣類・服飾品31.3%、ベビー・子供用品29.6%、スポーツ・レジャー用品23.0%、ブランド品22.7%です。

宅配買取のシェアが高い品目は、玩具・模型23.2%、ソフト・メディア類18.7%、書籍13.6%でした。小さくて壊れにくく、単価が読める商材に集中しています。ブランド品や家具では宅配のシェアは小さくなります。ネットオークションでの売却が多い品目は玩具・模型38.2%、スポーツ・レジャー用品27.7%、カー用品25.9%です。

つまり、ジャンルを決めた時点で、成立する出店形態も絞られます。小型で単価の読める商材は宅配と催事が成立し、商圏を面で広げられます。大型家電・家具は客が運べないため出張が主役になり、車両と人員の制約が商圏の上限になります。「まず店を出して、後から扱う商材を広げる」という順序では、店の面積と立地が商材を制限する側に回ります。

金銭がどちらへ動く品目かで、事業の形が変わる

環境省の調査は、排出時に金銭がどう動いたかも品目別に出しています。「販売」(売ってお金を受け取った)の割合が高いのは、カメラ・周辺機器92.3%、ソフト・メディア類87.4%、ゲーム機器87.2%、玩具・模型82.7%、書籍79.5%、自動車76.3%、スポーツ・レジャー用品74.5%です。

逆に「支払い(費用負担)」の割合が高いのは、テレビ・洗濯機・冷蔵庫・エアコン44.0%、家具類26.4%でした。家電リサイクル法のリサイクル料金や自治体の粗大ごみ処理手数料が該当すると考えられます。「無償」の割合が高いのは日用品・生活雑貨59.4%、自転車・パーツ51.7%、パソコン・周辺機器46.5%です。

大型家電と家具は、消費者がお金を払って手放している領域です。ここを無料で引き取れる事業者は、それだけで他と違う立ち位置になります。ただし引き取った後の処理費用と保管面積を自社が負うので、収益は買取ではなく処分・再販の側で作ることになります。

カメラ・ゲーム・メディアは9割前後が有償で売れており、買取の競争が激しい領域です。これらの区分に入るということは、既に売却先を持っている消費者を、他店から取ってくる競争に入るということです。しかもソフト・メディア類と書籍は、施行規則第16条第2項の例外品目に当たるため、少額でも確認と記帳が要ります。競争が激しく、かつ1件あたりの手続きが重いという組み合わせになります。

ジャンルは客層を選んでいる。年代で行動が分かれている

環境省の2024年調査には、世代別の行動差が出ています。「利用したことがない」割合は、購入で10・20代63.2%、60代以上76.1%と約13ポイントの差があり、40代と50代の間に大きな段差があります。40代より若い世代のほうがリユースに積極的です。

経路別では、フリマアプリでの購入が10・20代20.8%に対し60代以上8.0%。リユースショップ店頭での購入は40代が最多で15.1%。ネットオークションでの購入は50代10.9%、40代10.7%が多くなっています。売却で「利用したことがない」が最も低いのは30代の62.6%(10・20代は63.5%)で、リユースショップでの売却は30代が60代以上より4.1ポイント高く、郵送・宅配買取での売却は30代が60代以上より2.4ポイント高い結果です。

店頭買取の中心顧客は30〜40代、フリマアプリは10〜20代という分かれ方です。ジャンルを決めると、そのジャンルを持っている年代がおおむね決まり、年代が決まると届く媒体が決まります。ベビー・こども用品は市場全体で10%以上減った品目ですが、扱う年代は限定されます。

ここから逆算すると、集客手段の検討はジャンルを決めた後でないと始められません。どの媒体に出すかを先に決めて、その媒体に合う商材を探すという順序は、区分ごとの法定の手続きや在庫の体積を無視することになります。

在庫の体積が、営業所の面積と資金拘束を同時に決める

買取業は仕入れに現金が要ります。客にその場で現金を渡し、売れてから回収する順序なので、在庫が現金へ戻るまでの日数が資金繰りの制約になります。中小企業実態基本調査(令和6年確報・法人企業・小売業)では、従業者5人以下の在庫回転期間は55.9日、6〜20人は32.6日で、1.7倍の差があります。

同じ調査で粗利率は5人以下31.7%、6〜20人31.2%と小規模帯のほうがむしろ高いのに、営業利益率は5人以下0.2%、6〜20人1.5%です。粗利を取れていないのではなく、在庫が現金へ変わる速度で負けています。この統計は小売業全体の値で、買取業に限定したものではないため、自社の数字を当てる物差しとして使います。

ジャンルはこの日数に直接効きます。体積の大きい商材は、営業所の面積が在庫の上限になるので、売れないと次を買えません。現金ではなく面積が先に詰まります。小型で単価が読める商材は面積の制約が緩いぶん、点数が増えて記帳の工数が積み上がります。

判断の線としては、在庫回転期間が56日を超えていれば同規模の小売業平均より滞留している、粗利率が30%を下回れば小売業平均を下回っている、という置き方になります。自店の数字は第16条の帳簿から作れます。受取の年月日と引渡しの年月日がその都度記載され、第18条第1項により最終記載の日から3年間備え付けられるため、業界平均が無くても滞留日数は測れます。ジャンルを追加するときは、追加した区分だけを別集計できる形で記帳しておくと、判断材料になります。

ネットは主力チャネルではない。区分ごとに比重が違う

経済センサス(2021年、法人組織)で、年間商品販売額に占めるインターネット販売の割合は、骨とう品小売業17.1%、中古品小売業(骨とう品を除く)14.6%、中古電気製品小売業14.5%です。古本小売業は店頭販売が97.6%を占めます。

事業所数ベースでインターネット販売を行う割合は、中古電気製品小売業29.3%、中古品小売業(骨とう品を除く)27.0%、古本小売業18.5%、骨とう品小売業17.6%、中古自動車小売業14.3%です。

事業所数の割合と販売額の割合の差に注意してください。ネット販売をやっている事業所は3割近くありますが、売上に占める比率は15%前後です。多くの店にとってネットは主力ではなく補助チャネルという実態が読めます。ジャンルを選ぶときに「ネットで売れるから在庫は捌ける」と置くと、この差を見落とします。

販売側の市場規模で見ると、経済産業省の調査で2024年のCtoC-ECは2兆5,269億円、前年比+1.82%と伸びが鈍化しています。環境省の消費者調査でも、フリマアプリでの売却は2021年11.0%から2024年9.9%へ初めて減少し、リユースショップでの売却は減少傾向から増加に転じました(14.3%)。「フリマアプリに客を取られ続けている」という前提は、現在の数字では支持されません。

複数ジャンルは「リスク分散」ではなく「運用の掛け算」になる

扱う区分を増やせば、特定の相場変動に左右されにくくなるという説明があります。それ自体は否定できませんが、買取業では増やしたぶんだけ運用条件が増えます。区分を足すことは、その区分の確認義務・記帳義務・真贋判断・在庫体積・客層を丸ごと足すことです。

具体的には、書籍やゲームソフトを足すと施行規則第16条第2項の例外に入るため、1万円未満でも毎回の確認と記帳が発生します。時計・宝飾品類を足すと、不正品申告31件の区分に入るため、第15条第3項の申告が動く前提になります。家具や大型家電を足すと、営業所の面積が上限になり、出張の車両が要ります。区分ごとに、増える負荷の中身が違います。

現実的な進め方は、まず1区分で第16条の帳簿を3年分回し、自店の回転日数と1件あたり所要時間を実測してから足すという順序です。前掲の55.9日・32.6日は他社の平均であって、自店の値ではありません。実測値が無い状態で区分を増やすと、どの区分が資金と時間を食っているかを後から切り分けられません。

なお、このページでは特定ジャンルの利益率や仕入相場を示しません。買取業の区分別の粗利率・仕入単価について、一次情報が存在しないためです。ジャンル比較で金額が並んでいる資料は、その事業者の条件での実額です。比較に使えるのは、公的統計で確認できる市場規模の方向、区分ごとの法定の手続き、不正品申告の件数、そして自店の帳簿から作った実測値までです。

確認すべきこと

#チェック項目
1扱おうとしているジャンルが、古物営業法の13区分のどれに当たるかを言えるか
2施行規則第16条第2項の7品目(自動二輪車・原付、エアコン室外機と電気温水機器のヒートポンプ、家庭用ゲームソフト、光学メディア、電線、金属製グレーチング、書籍)に該当するかを確認したか
3該当する場合、1万円未満でも毎回の確認と記帳が要ることを、カウンターの所要時間に織り込んであるか
4不正品申告の多い区分(道具類37件・時計宝飾品類31件・機械工具類22件)を主力にするなら、第15条第3項の申告手順を決めてあるか
5第13条第3項の努力義務を、管理者の研修計画に落としてあるか
6そのジャンルの商材を、想定する客層が店まで運べる大きさ・重さか
7在庫の体積が営業所の面積に収まるか。収まらない場合の保管をどうするか決めてあるか
8販路が店頭中心かネット中心かを、業種別のインターネット販売比率(販売額で15%前後)と照らして置いているか
9第16条の帳簿を、区分別に集計できる形で設計してあるか
10区分を追加する前に、既存区分の在庫回転期間を帳簿から実測してあるか

よくある失敗

客単価の低い商材で点数を稼ぐ設計にしたのに、施行規則第16条第2項の例外品目だったという状態です。書籍、光学的方法により音または影像を記録した物、専ら家庭用コンピュータゲームに用いられるプログラムを記録した物は、対価が1万円未満でも本人確認と記帳が要ります。法第16条ただし書が除外しているのは「前条第2項各号に掲げる場合」なので、確認が免除されない取引は記帳も免除されません。数百円の買取1件ごとに住所・氏名・職業・年齢の確認と記帳が発生し、粗利に対して人件費が過大になります。

不正品申告0件の区分を「盗品リスクが低い」と読む状態です。令和7年の集計で写真機類と金券類は0件ですが、これは申告に至った件数が0だったという意味であって、持ち込みが無かったことや疑いが無かったことの証明ではありません。区分ごとの濃淡を見るための数字です。なお申告の多い上位3区分は道具類37件・時計宝飾品類31件・機械工具類22件で、合計90件が全体129件の約7割を占めます。

環境省のリユース市場規模と、消費者庁が掲載する買取市場規模を並べて比率を出す状態です。前者は消費者が中古品を買った総額の推計(2024年で全体3兆4,986億円、自動車・バイクを除くと1兆2,813億円)、後者はリユース業者が一般消費者から買取りによって仕入れた値の推計(2023年13,274億円)で、定義が違います。さらに自動車だけで全体の54.9%を占めるため、自動車を含む数字と除いた数字を混ぜると桁を間違えます。

「ネットで売れるから在庫は捌ける」と置いてジャンルを広げる状態です。経済センサス(2021年、法人組織)では、年間商品販売額に占めるインターネット販売の割合は骨とう品小売業17.1%、中古品小売業(骨とう品を除く)14.6%、中古電気製品小売業14.5%で、古本小売業は店頭販売が97.6%を占めます。事業所数ベースではネット販売を行う割合が3割近い業種もありますが、売上に占める比率は15%前後です。ネットは多くの店にとって補助チャネルという実態になっています。

よくある質問

質問回答
ジャンルは絞るべきですか、広げるべきですか一般解は示せませんが、判断材料は明確です。区分を足すことは、その区分の確認義務・記帳義務・真贋判断・在庫体積・客層を丸ごと足すことです。書籍やゲームソフトを足せば施行規則第16条第2項により1万円未満でも毎回の確認と記帳が発生し、時計・宝飾品類を足せば令和7年に31件の不正品申告があった区分に入り、家具や大型家電を足せば営業所の面積が在庫の上限になります。現実的な進め方は、まず1区分で第16条の帳簿を3年分回し、自店の在庫回転期間と1件あたり所要時間を実測してから足す順序です。中小企業実態基本調査の55.9日・32.6日は他社の平均であって自店の値ではありません。
市場規模の大きいジャンルを選べばよいのではないですか市場規模だけでは決まりません。環境省の2024年推計では自動車1兆9,213億円が全体の54.9%を占めますが、自動車を扱うには保管面積と別の許認可・実務が伴います。伸びている品目(玩具・模型、携帯電話・スマートフォン、楽器類、バイク・原付、ゲーム機器が10%以上増)と縮んでいる品目(ベビー・こども用品が10%以上減)はありますが、市場全体の成長率は2021年比+2.8%で鈍いのが実態です。加えて、有償売却の割合が高い品目、たとえばカメラ・周辺機器92.3%やゲーム機器87.2%は、既に売却先を持っている消費者を他店から取ってくる競争になります。市場規模と競争密度は別の変数です。
許可申請のときに、扱う予定のない区分も届け出ておけますか届け出た区分の範囲で扱うという建付けなので、後から扱う可能性があるものを含めておくという運用は実務上あります。ただし届け出れば手続きが軽くなるわけではありません。区分ごとに、施行規則第16条第2項の例外に当たるか、不正品申告の多い区分か、在庫の体積がどうかという条件がそのまま付いてきます。届出の範囲と、実際に運用できる体制は別です。区分の追加・変更の手続きについては、主たる営業所の所在地を管轄する警察署の防犯係で確認してください。
ジャンルと出店形態は、どちらを先に決めますかジャンルが先です。客はモノを運んできて売るため、商材の大きさと重さが来店できる範囲を決めます。環境省の調査では、宅配買取のシェアが高い品目は玩具・模型23.2%、ソフト・メディア類18.7%、書籍13.6%と、小さくて壊れにくく単価が読める商材に集中しています。ブランド品や家具では宅配のシェアは小さくなります。逆に大型家電・家具は客が運べないため出張が主役になり、車両と人員が商圏の上限になります。形態を先に決めると、店の面積と立地が扱える商材を制限する側に回ります。
区分ごとの粗利率や仕入相場を教えてください一次情報が存在しないため示しません。買取業の区分別の粗利率・仕入単価について、公的統計は取っていません。ジャンル比較で金額が並んでいる資料は、その事業者の条件での実額です。使えるのは、公的統計で確認できる市場規模の方向(環境省・経済センサス)、区分ごとの法定の手続き(古物営業法と施行規則)、不正品申告の件数(警察庁)、そして自店の帳簿から作った実測値までです。物差しとしては、中小企業実態基本調査の小売業全体で粗利率29.8%・営業利益率2.4%、従業者5人以下で粗利率31.7%・営業利益率0.2%・在庫回転期間55.9日という値があります。買取業の適正値ではなく、同規模の小売業と比べるための線です。
大型家電や家具は、買取ジャンルとして成立しますか収益の作り方が変わります。環境省の調査では、テレビ・洗濯機・冷蔵庫・エアコンは排出時に「支払い(費用負担)」の割合が44.0%、家具類が26.4%で、消費者がお金を払って手放している領域です。無料で引き取れる事業者はそれだけで他と違う立ち位置になりますが、引き取った後の処理費用と保管面積を自社が負うため、収益は買取ではなく処分・再販の側で作ることになります。またエアコンディショナーの室外ユニットと電気温水機器のヒートポンプは施行規則第16条第2項二号に当たるため、1万円未満でも本人確認と記帳が要ります。面積と処理費の設計が先に来ます。

「取扱ジャンルの選定」に対応する解決策

この課題の打ち手になりうる解決策を12件挙げます。直接の対処だけでなく、判断材料を得る手段や外部に頼る手段も含みます。

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買取業向けの研修は民間が提供しているものが中心で、費用、期間、修了者数、合格率のいずれについても、業界横断で参照できる一次情報がありません。…
立ち上げ解決策
買取フランチャイズの加盟金やロイヤリティは、大手本部の公式サイトを見ても書かれていません。検索して出てくる金額は、多くが第三者の集約サイトの…

取扱ジャンル別に見る

扱う商材によって、不要品の発生量も、値段が付くかどうかも、どこに売られるかも変わります。取扱ジャンルの選定をジャンル別に見たページを用意しています。

買取形式別に見る

店舗を構えるか、出張に出るか、宅配で受けるか。買取形式によって前提となる商圏も、かかる規制も変わります。

立ち上げ課題の他の項目

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