
リユース市場の話は成長の文脈で語られることが多いのですが、業種別に実額で見ると様子が変わります。
経済センサス-活動調査は統計法に基づく基幹統計で、日本標準産業分類の細分類コードごとに年間商品販売額と事業所数を把握しています。民間の推計と違い、どの業種を数えたかが確定しているのが特徴です。
ただし調査は5年ごとで、最新は2021年(令和3年)です。
| 業種(細分類コード) | 2021年 販売額 | 2016年比 | 2021年 事業所数 |
|---|---|---|---|
| 中古品小売業・骨とう品を除く(6098) | 4,511億円 | — | 3,301所 |
| 古本小売業(6062) | 1,163億円 | △8.7%(2016年 1,274億円) | 671所 |
| 中古電気製品小売業(5933) | 698億円 | — | 515所 |
| 骨とう品小売業(6097) | 378億円 | △38.5%(2016年 613億円) | 387所 |
| 自動車中古部品卸売業(5423) | 2,508億円 | +3.6%(2016年 2,420億円) | 810所(△28.0%) |
| 中古自動車小売業(5912) | データなし | — | 11,168所(△48.2%) |
骨とう品小売業の年間商品販売額は、2016年の613億円から2021年の378億円へ、38.5%減少しました。中古品取扱小売業4業種の中で最も大きな減少です。
古本小売業も1,274億円から1,163億円へ8.7%減っています。
一方、中古品小売業(骨とう品を除く)と中古電気製品小売業の合計は5,209億円で、2016年の5,246億円とほぼ横ばいでした。総合リサイクルショップの領域は減ってはいませんが、伸びてもいません。
最も大きな変化は中古自動車小売業です。事業所数が2016年の21,556所から2021年の11,168所へ、48.2%減少しました。
それでも中古自動車小売業は、中古品取扱小売5業種の事業所数16,042所のうち69.6%を占めており、業種としては依然最大です。
自動車中古部品卸売業も、販売額は2,508億円で3.6%増えている一方、事業所数は1,125所から810所へ28.0%減っています。1事業所あたりの規模が大きくなっているという読み方ができます。
同じ調査から、販売形態別の内訳も分かります。法人組織の事業所を対象にした集計です。
年間商品販売額に占めるインターネット販売の割合は、骨とう品小売業17.1%、中古品小売業(骨とう品を除く)14.6%、中古電気製品小売業14.5%。古本小売業は店頭販売が97.6%を占めています。
一方、事業所数ベースでインターネット販売を行っている割合は、中古電気製品小売業29.3%、中古品小売業(骨とう品を除く)27.0%、古本小売業18.5%、骨とう品小売業17.6%、中古自動車小売業14.3%です。
ネット販売を「やっている」事業所は3割近いのに、売上に占める比率は15%前後という差があります。多くの店にとってネットは主力ではなく補助チャネルという実態が読み取れます。
経済センサスは5年ごとの調査で、最新データは2021年です。2026年時点では5年前の数字になるため、時点を必ず明記して使う必要があります。
また、中古品小売の実額を公的統計で追えるのはこの調査だけです。商業動態統計は月次で商業の動向を把握していますが、業種分類に中古品小売業は独立していません。月次で中古品小売を追うことはできません。
経済センサスと過去の商業統計調査は母集団が異なるため、長期の時系列を扱うときは連続性に注意が必要です。



