ログイン資料請求お問い合わせ
買取ラボ>ニュース>市場データ

「リユース市場3兆円」の3兆円とは何の数字か|5つの推計を使い分ける

リユース市場の規模を示す数字は、公表されているだけで5種類ある。定義が違うので、並べると桁が合わない。事業計画に使う数字と、営業資料に使う数字は別物になる。
市場データ 🕐 2026-08-29 / 買取ラボ編集部
「リユース市場3兆円」の3兆円とは何の数字か|5つの推計を使い分ける

そもそも同じものを測っていない

「リユース市場は3兆円規模」という表現をよく見かけます。ただし、この3兆円が何を数えた金額なのかは、出典によってまったく違います。消費者が中古品を買った総額なのか、事業者の売上を積み上げたものなのか、EC経由の個人間取引なのか。どれも「リユース市場」と呼ばれています。

定義を確認せずに引用すると、事業計画の前提が崩れます。ここでは主要な5つの推計を、何を測っているかで整理します。

① 環境省|消費者が中古品を買った総額

環境省は2012年から3年ごとに「リユース市場規模調査」を実施しています。定義は「国内における一般消費者がリユース品を購入した総額(過去1年間)」で、インターネットモニターへのアンケートから推計します。

2024年の推計値は3兆4,986億円。ただしこの数字の54.9%(1兆9,213億円)は自動車です。自動車とバイクを除くと1兆2,813億円まで下がります。

事業者向けの中古品(建設機械、医療機器、オフィス家具など)は含みません。海外での販売も含まず、骨とう品とチケットは調査対象外です。一方で未使用品・新古品は含みます。

区分2024年の推計値
全体(自動車・バイクを含む)3兆4,986億円
自動車・バイクを除く1兆2,813億円
うち ブランド品2,208億円(6.3%)
うち ブランド品を除く衣類・服飾品1,099億円(3.1%)
うち 楽器類1,011億円(2.9%)
うち パソコン・周辺機器901億円(2.6%)
うち テレビ・洗濯機・冷蔵庫・エアコン814億円(2.3%)
うち 書籍787億円(2.2%)

② 経済センサス|事業所ベースの実額

基幹統計である経済センサス-活動調査は、事業所の年間商品販売額を実額で把握しています。日本標準産業分類の細分類コードで定義が確定しているため、「どの業種を数えたか」を明示できるのが強みです。

2021年(令和3年)調査で、中古自動車小売業を除く4業種の年間商品販売額は6,750億円でした。アンケート推計である①より1桁近く小さくなります。これは調査対象が事業所に限られ、個人間取引やフリマアプリを含まないためです。

業種(細分類コード)年間商品販売額事業所数
中古品小売業・骨とう品を除く(6098)4,511億円3,301所
古本小売業(6062)1,163億円671所
中古電気製品小売業(5933)698億円515所
骨とう品小売業(6097)378億円387所
中古自動車小売業(5912)—11,168所
自動車中古部品卸売業(5423)2,508億円810所

③ 経済産業省|EC経由の個人間取引

経済産業省の「電子商取引に関する市場調査」は、CtoC-EC市場規模を推計しています。2024年は2兆5,269億円でした。

注目すべきは伸び率です。前年比1.82%増にとどまっており、以前のような急拡大は止まっています。なお同調査は、CtoC取引には実際にはBtoB・BtoCの取引も含まれると注記しています。

④ 業界紙|事業者の売上ベース

リユース経済新聞が発行する「リユース市場データブック」は、事業者の売上を積み上げた推計を出しています。2023年で3兆1,227億円。①の環境省の数字と近い水準になりますが、測っているものは違います。

こちらは有料の刊行物です。ただし環境省の報告書と消費者庁の調査報告書がどちらもこの数値を引用しているため、官公庁の公表文書経由で参照できます。

⑤ 買取市場規模|事業者が消費者から仕入れた額

買取事業者にとって最も直接的なのはこの数字です。リユース業者が一般消費者から買取りによって仕入れた値を推計したもので、2023年は1兆3,274億円。消費者庁の調査報告書に掲載されています。

5年間で7,843億円から1兆3,274億円へ、約1.7倍になりました。2020年だけ前年から減っているのはコロナ禍の影響です。

年買取市場規模
2018年7,843億円
2019年9,099億円
2020年8,954億円
2021年10,372億円
2022年11,684億円
2023年13,274億円

用途別に、どれを使うべきか

事業計画で自社の取り分を見積もるなら⑤の買取市場規模です。仕入額そのものなので、商圏人口比で按分すれば目標の当たりが付きます。

出店判断や競合分析なら②の経済センサスです。事業所数が出ているため、1事業所あたりの販売額を計算できます。ただし調査は5年ごとで、最新は2021年です。

消費者の行動を語るなら①の環境省です。3年ごとの同一設計調査なので、時系列の変化を追えます。

対外的な資料で市場の大きさを示すだけなら①か④で足ります。ただし自動車を含むかどうかで3兆4,986億円と1兆2,813億円に分かれるので、どちらの定義かは必ず明記してください。

使うときの注意

①②③④⑤を並べて「市場は成長している」と書くと誤りになります。定義が違うため、相互に足し引きも比較もできません。

また、成長率には注意が必要です。①の環境省の推計は2021年比で+2.8%(自動車・バイクを除くと+3.9%)、③のCtoC-ECは+1.82%です。伸びてはいますが、勢いは以前より鈍っています。

PR|Marche株式会社
全国買取特化のSEOなら
Marche
エリア×品目の掛け合わせでページを設計し、査定依頼から買取金額まで採算を追う。 買取業に特化したSEO支援です。
  • 全国エリア × 取扱品目のページ設計
  • 査定依頼・買取金額までの採算管理
  • 買取業に特化した支援実績
無料相談・資料請求はこちら

この記事の出典

本文中の数値はすべて公表資料に基づきます。時点を確認のうえご利用ください。

関連記事

買取の広告は景品表示法の対象になった|問題になりやすい5つの表示
2026-08-28 / 法規制 / 買取ラボ編集部
2024年4月18日の運用基準改定で、買取サービスも景品表示法の規制対象になり得ることが明確化された。消費者庁は買取業者50社の広告を調査し、問題になりやす…
買取業界最大の未開拓在庫は、消費者の引き出しの中にある
2026-08-27 / 消費者動向 / 買取ラボ編集部
不要になったスマートフォンの82.1%は、売られも捨てられもせず自宅に保管されている。環境省の調査から、品目ごとに眠っている量がまったく違うことが分かる。…
買取先を選ぶ理由の6割は、価格ではない
2026-08-26 / 消費者動向 / 買取ラボ編集部
環境省の調査で、不要品の引渡し先を選んだ最重視理由を聞いている。金銭的な理由は39.7%で最多だが、裏を返せば残り6割は価格以外で決まっている。…
2024年、フリマアプリでの売却が初めて減った
2026-08-25 / 市場データ / 買取ラボ編集部
環境省が3年ごとに続けている同一設計の調査で、フリマアプリでの売却経験が初めて前回を下回った。同時にリユースショップでの売却は増加に転じている。…
課題に合う発注先を無料で紹介します
扱う商材と地域、困っていることを入力するだけ。最短当日に候補をお送りします
無料で相談する
PR|Marche株式会社
全国買取特化のSEOなら
Marche
エリア×品目の掛け合わせでページを設計し、査定依頼から買取金額まで採算を追う。 買取業に特化したSEO支援です。
無料相談・資料請求はこちら