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買取業界最大の未開拓在庫は、消費者の引き出しの中にある

不要になったスマートフォンの82.1%は、売られも捨てられもせず自宅に保管されている。環境省の調査から、品目ごとに眠っている量がまったく違うことが分かる。
消費者動向 🕐 2026-08-27 / 買取ラボ編集部
買取業界最大の未開拓在庫は、消費者の引き出しの中にある

不要品の半分以上は、家から出ていない

環境省は3年ごとにリユース市場規模調査を行っており、2024年調査では不要になった製品の排出・引渡し先を17分類で聞いています。その中に「自宅・物置等で保管(使用はしていないが家に置いてある)」という選択肢があります。

結果を見ると、多くの品目で半分以上が保管されたままでした。そして品目による差が非常に大きいことが分かります。

品目自宅・物置等で保管されている割合
携帯電話・スマートフォン82.1%
ソフト・メディア類77.6%
パソコン・周辺機器77.4%
自転車、自転車部品・パーツ72.9%
楽器類69.9%
スポーツ・レジャー用品69.3%
カメラ・周辺機器68.7%
その他の家電製品58.4%
家具類58.1%
カー用品57.4%
テレビ・洗濯機・冷蔵庫56.8%
書籍56.3%
ブランド品53.4%
ベビー・子供用品52.3%
ブランド品を除く衣類・服飾品51.1%
玩具・模型49.6%
バイク、原付バイク48.1%
日用品・生活雑貨47.5%
自動車20.8%
ゲーム機器16.1%

スマホだけが突出している

携帯電話・スマートフォンの82.1%は全品目で最高です。8割を超えているのはこの品目だけで、次点のソフト・メディア類(77.6%)とも5ポイント近い差があります。

そもそもスマートフォンは、過去1年に不要品が発生した人の割合が8.3%で、書籍(29.1%)や衣類(25.8%)より低い品目です。発生量が少ないうえに、発生したものの8割が家から出ていません。

中古スマートフォンの流通量が伸びている一方で、供給の制約がここにあることが分かります。

逆に、家に置かれない品目もある

自動車(20.8%)とゲーム機器(16.1%)は例外的に低い数字です。

自動車は保管に駐車場が要り、税金と保険がかかり続けるため、置いておくコストが明確です。ゲーム機器は、保管を除いた排出先のうち72.3%が「リユースショップ・中古品販売店に持っていき、売却した」で、これも全品目で最高でした。発生したら店頭に持ち込まれる商材ということになります。

ゲーム機器は不要品の発生率自体は0.6%と最も低いのですが、発生したものはほぼ確実に市場に出ます。買取店にとっては読みやすい商材です。

保管されている理由は「捨てにくさ」と「面倒」

同じ調査で、排出先を選んだ理由を聞いています。最も重視した理由は「金銭的な理由」が39.7%で最多ですが、次いで「煩雑な手続きや準備をしなくてすむから」が19.2%でした。

スマートフォンとパソコンには、これに加えてデータ消去の不安があります。手放す手間が他の品目より大きく、しかも本体が小さいため保管コストがほぼゼロです。結果として引き出しに残り続けます。

事業者にとっての意味

買取単価を上げる競争は、すでに市場に出てきた物の奪い合いです。一方で、スマートフォンだけで8割超が未流通のまま存在しています。

ここを動かすには、価格ではなく手間の設計が要ります。データ消去の可視化、下取りとの組み合わせ、自宅まで取りに行く導線。同じ調査で「自分で運搬する必要がなく、家まで取りに来てくれるから」を最重視した人は6.2%いました。

なお、この保管率は環境省報告書の本編に掲載されているもので、概要版には載っていません。

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この記事の出典

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