
環境省は3年ごとにリユース市場規模調査を行っており、2024年調査では不要になった製品の排出・引渡し先を17分類で聞いています。その中に「自宅・物置等で保管(使用はしていないが家に置いてある)」という選択肢があります。
結果を見ると、多くの品目で半分以上が保管されたままでした。そして品目による差が非常に大きいことが分かります。
| 品目 | 自宅・物置等で保管されている割合 |
|---|---|
| 携帯電話・スマートフォン | 82.1% |
| ソフト・メディア類 | 77.6% |
| パソコン・周辺機器 | 77.4% |
| 自転車、自転車部品・パーツ | 72.9% |
| 楽器類 | 69.9% |
| スポーツ・レジャー用品 | 69.3% |
| カメラ・周辺機器 | 68.7% |
| その他の家電製品 | 58.4% |
| 家具類 | 58.1% |
| カー用品 | 57.4% |
| テレビ・洗濯機・冷蔵庫 | 56.8% |
| 書籍 | 56.3% |
| ブランド品 | 53.4% |
| ベビー・子供用品 | 52.3% |
| ブランド品を除く衣類・服飾品 | 51.1% |
| 玩具・模型 | 49.6% |
| バイク、原付バイク | 48.1% |
| 日用品・生活雑貨 | 47.5% |
| 自動車 | 20.8% |
| ゲーム機器 | 16.1% |
携帯電話・スマートフォンの82.1%は全品目で最高です。8割を超えているのはこの品目だけで、次点のソフト・メディア類(77.6%)とも5ポイント近い差があります。
そもそもスマートフォンは、過去1年に不要品が発生した人の割合が8.3%で、書籍(29.1%)や衣類(25.8%)より低い品目です。発生量が少ないうえに、発生したものの8割が家から出ていません。
中古スマートフォンの流通量が伸びている一方で、供給の制約がここにあることが分かります。
自動車(20.8%)とゲーム機器(16.1%)は例外的に低い数字です。
自動車は保管に駐車場が要り、税金と保険がかかり続けるため、置いておくコストが明確です。ゲーム機器は、保管を除いた排出先のうち72.3%が「リユースショップ・中古品販売店に持っていき、売却した」で、これも全品目で最高でした。発生したら店頭に持ち込まれる商材ということになります。
ゲーム機器は不要品の発生率自体は0.6%と最も低いのですが、発生したものはほぼ確実に市場に出ます。買取店にとっては読みやすい商材です。
同じ調査で、排出先を選んだ理由を聞いています。最も重視した理由は「金銭的な理由」が39.7%で最多ですが、次いで「煩雑な手続きや準備をしなくてすむから」が19.2%でした。
スマートフォンとパソコンには、これに加えてデータ消去の不安があります。手放す手間が他の品目より大きく、しかも本体が小さいため保管コストがほぼゼロです。結果として引き出しに残り続けます。
買取単価を上げる競争は、すでに市場に出てきた物の奪い合いです。一方で、スマートフォンだけで8割超が未流通のまま存在しています。
ここを動かすには、価格ではなく手間の設計が要ります。データ消去の可視化、下取りとの組み合わせ、自宅まで取りに行く導線。同じ調査で「自分で運搬する必要がなく、家まで取りに来てくれるから」を最重視した人は6.2%いました。
なお、この保管率は環境省報告書の本編に掲載されているもので、概要版には載っていません。



