
信用保証協会は、中小企業・小規模事業者の金融円滑化のために設立された公的機関で、47都道府県と4市に設置されています。融資そのものを行うのではなく、金融機関からの借入に保証を付ける役割です。
対象となる範囲は業種ごとに決まっており、資本金と従業員数のいずれか一方を満たせば利用できます。買取店は小売業にあたるため、資本金5,000万円以下または従業員50人以下が基準です。
どちらか一方でよいため、実質的にほぼすべての買取事業者が範囲に入ります。なお農業・林業・漁業・金融保険業等は対象外です。
個人・法人の場合、普通保証が2億円、無担保保証が8,000万円です。社債保証は4億5,000万円。協同組合等では普通保証が4億円になります。
これ以外に、政府の施策による特別保証制度が別枠で用意されており、それぞれに限度額が設けられています。
限度額は上限であって、この額まで借りられるという意味ではありません。日本政策金融公庫の2025年度新規開業実態調査では、開業時の「金融機関等からの借り入れ」は平均827万円でした。限度額と実際の借入額には大きな開きがあります。
保証料率は、CRD(中小企業信用リスクデータベース)を使って決算書から財務面を評価し、その結果に定性要因を加味して、9段階の区分から決まります。2007年に導入された責任共有制度により、対象と対象外で料率が分かれます。
責任共有の場合、最も低い区分⑨で年率0.45%、最も高い区分①で1.90%です。4.2倍の開きがあります。責任共有外では0.50%から2.20%です。
手形等割引根保証、当座貸越根保証、事業者カードローンは特殊保証として別の料率が適用されます。
「保証料は年◯%」と一つの数字で語れない制度です。自社がどの区分に入るかは決算書次第で、同じ借入額でも年間の負担が4倍違います。
| 区分 | ① | ② | ③ | ④ | ⑤ | ⑥ | ⑦ | ⑧ | ⑨ |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 責任共有 | 1.90 | 1.75 | 1.55 | 1.35 | 1.15 | 1.00 | 0.80 | 0.60 | 0.45 |
| 責任共有外 | 2.20 | 2.00 | 1.80 | 1.60 | 1.35 | 1.10 | 0.90 | 0.70 | 0.50 |
料率は決算書の財務評価で決まります。買取業は買い取った品物を棚卸資産として計上するため、在庫の状態が貸借対照表に表れます。
中小企業実態基本調査(令和6年確報・令和5年度決算実績)で小売業の在庫回転期間を計算すると、法人企業全体で33.5日、従業者5人以下の層では55.9日でした。滞留が長いほど棚卸資産は膨らみます。
同じ調査で、5人以下の層は粗利率31.7%と6〜20人の31.2%を上回っているにもかかわらず、営業利益率は0.2%対1.5%と大きく劣ります。利益が出ていない決算書は、財務評価の面で不利に働きます。
ただし、在庫の多寡が保証料率の区分にどう影響するかは公表されていません。CRDの評価ロジックは開示されておらず、ここは推測になります。確実に言えるのは、決算書が評価の入口であり、在庫の滞留は決算書に表れるという点までです。申込前に、直近の決算がどう見えるかを確認しておく価値はあります。
担保を提供する場合と、会計参与を設置している会社の場合には割引が適用されます。ただし一部、割引の対象とならない保証制度もあります。
逆に、事業者選択型経営者保証非提供制度を利用する場合は割増になります。経営者保証を外す代わりに料率が上がる仕組みです。
保証料率の区分を判定するモデルは変更されます。 令和8年4月期以降の決算書による保証申込から、新しいリスク評価モデルが用いられます。申込のタイミングによって適用モデルが変わるため、決算期との関係を確認してください。
料率表が「責任共有」と「責任共有外」に分かれているのは、2007年に導入された責任共有制度によるものです。保証協会が全額を保証するのではなく、金融機関も一定の責任を負う仕組みです。
責任共有の対象なら0.45%から1.90%、対象外なら0.50%から2.20%です。同じ区分でも責任共有外のほうが高くなります。金融機関がリスクを負わないぶん、料率に反映される構造です。
どちらが適用されるかは制度と保証の種類で決まり、申込者が選べるものではありません。ただし見積もりを受け取ったとき、どちらの表で計算されているかを確認すれば、提示された料率が妥当な範囲にあるかを自分で照合できます。
日本政策金融公庫は自ら融資を行う政府系金融機関です。信用保証協会は融資をせず、民間金融機関からの借入に保証を付けます。性質が違うため、両方を使うことができます。
公庫の新規開業・スタートアップ支援資金は融資限度額7,200万円、返済期間は設備20年以内・運転10年以内、いずれも据置5年以内です。保証協会側の限度額は普通保証2億円・無担保保証8,000万円で、こちらは保証の上限です。
開業時は公庫、事業が回り始めてから取引銀行との関係を作るために保証協会付き融資、という順で使う例が多く見られます。どちらか一方に絞る必要はありません。
ただし保証料は金利とは別に発生します。金利だけで比較すると、保証料を含めた実質的な負担を見誤ります。
信用保証の対象業種は、中小企業信用保険法施行令に基づく業種を基準としています。農業、林業、漁業、金融・保険業等は対象外です。
買取業は小売業にあたるため対象に入ります。問題になるのは、複数の事業を持っている場合です。買取と並行して対象外の事業を行っていると、申込の際に整理が必要になることがあります。
また規模要件は、資本金と従業員数のいずれか一方を満たせば足ります。小売業なら資本金5,000万円以下または従業員50人以下です。どちらか一方でよいため、従業員が多くても資本金で満たせる場合があります。
自社がどの業種として扱われるかは、事業内容と登記の記載によります。判断に迷う場合は、申込前に管轄の信用保証協会へ確認してください。
| # | チェック項目 |
|---|---|
| 1 | 資本金5,000万円以下または従業員50人以下のいずれかを満たしているか(小売業の基準) |
| 2 | 限度額(普通保証2億円・無担保8,000万円)を借入可能額と混同していないか |
| 3 | 保証料率が9区分あり、決算書で4倍以上変わることを前提に資金計画を組んでいるか |
| 4 | 申込前に直近の決算書がどう見えるかを確認したか |
| 5 | 在庫の滞留が棚卸資産として決算書に表れていないか |
| 6 | 担保提供・会計参与設置による割引が使えるか確認したか |
| 7 | 経営者保証を外す制度を使う場合、料率の割増を織り込んでいるか |
| 8 | 決算期と申込時期の関係で、どの判定モデルが適用されるか確認したか(令和8年4月期以降は新モデル) |
| 9 | 見積もりが責任共有・責任共有外のどちらの料率表で計算されているか確認したか |
| 10 | 公庫の融資と併用する前提で、資金調達の全体像を組んでいるか |
| 11 | 金利だけでなく、保証料を含めた実質負担で比較しているか |
保証料率を一つの数字で見積もって資金計画を組むケースです。料率は9区分あり、責任共有で0.45%から1.90%まで4.2倍の開きがあります。どの区分に入るかは決算書の財務評価で決まるため、申込前に自社の決算がどう見えるかを確認しないと、想定の何倍もの負担になることがあります。
限度額を借入可能額と受け取ってしまう誤りです。普通保証2億円・無担保8,000万円はあくまで上限で、実際の借入額とは大きく異なります。公庫の調査では開業時の金融機関等からの借り入れは平均827万円でした。
在庫を抱えたまま決算を迎え、そのまま申し込むケースです。買取業は買い取った品物が棚卸資産として計上されるため、滞留が長いほど決算書に表れます。中小企業実態基本調査では従業者5人以下の小売業の在庫回転期間は55.9日でした。決算書が評価の入口である以上、決算期前に滞留を整理できるかは確認しておく価値があります。
| 質問 | 回答 |
|---|---|
| 買取店でも利用できますか | 利用できます。信用保証協会の対象範囲は業種ごとに定められており、資本金と従業員数のいずれか一方を満たせば足ります。買取店は小売業にあたるため、資本金5,000万円以下または従業員50人以下が基準です。どちらか一方でよいため、ほぼすべての買取事業者が範囲に入ります。 |
| 保証料はいくらかかりますか | 一つの数字では答えられません。保証料率はCRDを用いた決算書の財務評価に定性要因を加味して9段階の区分から決まり、責任共有の場合で年率0.45%から1.90%まで幅があります。責任共有外では0.50%から2.20%です。同じ借入額でも区分によって年間の負担が4倍以上変わります。 |
| 在庫が多いと不利になりますか | 在庫の多寡が保証料率の区分にどう影響するかは公表されていません。CRDの評価ロジックは開示されていないため、断定はできません。確実に言えるのは、料率が決算書の財務評価で決まること、そして買取業では買い取った品物が棚卸資産として決算書に表れることです。中小企業実態基本調査では従業者5人以下の小売業の在庫回転期間は55.9日で、営業利益率は0.2%でした。決算書が評価の入口である以上、申込前に確認する価値はあります。 |
| いくらまで保証してもらえますか | 個人・法人の場合、普通保証が2億円、無担保保証が8,000万円、社債保証が4億5,000万円です。協同組合等では普通保証が4億円になります。これ以外に政府の施策による特別保証制度が別枠であり、それぞれ限度額が設けられています。ただしこれは上限であり、実際の借入可能額とは異なります。 |
| 公庫の融資と、どちらを使うべきですか | 性質が違うため併用できます。公庫は自ら融資を行う政府系金融機関で、信用保証協会は民間金融機関からの借入に保証を付ける機関です。開業時は公庫を使い、事業が回り始めてから取引銀行との関係を作るために保証協会付き融資を使う、という順で組む例が多く見られます。なお保証料は金利とは別に発生するため、金利だけで比較しないでください。 |
| 買取以外の事業も行っている場合、注意点はありますか | 対象外の業種が混じっていないか確認してください。信用保証の対象業種は中小企業信用保険法施行令に基づく業種を基準としており、農業、林業、漁業、金融・保険業等は対象外です。買取業は小売業にあたるため対象に入りますが、複数事業を持つ場合は申込時に整理が必要になることがあります。自社がどの業種として扱われるかは事業内容と登記の記載によるため、判断に迷う場合は管轄の信用保証協会へ確認してください。 |
この解決策が打ち手になりうる課題を14件挙げます。














扱う商材によって、不要品の発生量も、値段が付くかどうかも、どこに売られるかも変わります。信用保証協会付き融資をジャンル別に見たページを用意しています。
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