
旧称は「新規開業資金」です。現在は新規開業・スタートアップ支援資金という名称になっています。旧称のまま検索している解説記事が残っているため、情報の新旧を見分ける手がかりになります。
対象は、新たに事業を始める方または事業開始後おおむね7年以内の方です。ただし適正な事業計画を策定しており、その計画を遂行する能力が十分にあると認められる方に限られます。
資金の使いみちは、新たに事業を始めるため、または事業開始後に必要とする設備資金および運転資金です。買取業では、店舗・什器が設備資金、買取原資が運転資金にあたります。
融資限度額は7,200万円です。ただしこれは上限であって、この額が借りられるという意味ではありません。
同じ公庫の総合研究所が実施した2025年度新規開業実態調査では、開業時の「金融機関等からの借り入れ」は平均827万円でした。資金調達額の平均が1,219万円で、その67.9%が借入です。自己資金は平均279万円(22.9%)で、この2つで90.7%を占めます。
限度額7,200万円と実績827万円では9倍近い開きがあります。限度額を計画の出発点にすると、確実に過大な想定になります。 参照すべきは実績のほうです。
同調査では開業費用が平均975万円、中央値600万円でした。調達額1,219万円との差額244万円が運転資金にあたります。買取業ではこの部分の多くが買取原資として拘束されます。
返済期間は、設備資金が20年以内、運転資金が10年以内です。いずれも据置期間は5年以内が設定できます。
据置期間は元金の返済を待ってもらえる期間です。買取業でここが効くのは、開業直後に買取原資が最も重く拘束されるためです。
中小企業実態基本調査から小売業の在庫回転期間を計算すると、従業者5人以下の層では55.9日でした。買い取った品物が現金に戻るまで約2ヶ月かかります。開業初期は仕入れが先行し、回収が追いつくまで手元資金が減り続けます。
この局面で元金返済が始まると、買取原資を削って返済に回すことになります。買取額を落とせば売上も落ちるため、縮小の方向に入ります。据置期間をどう設定するかは、金利より先に検討する項目です。
| 項目 | 制度上 | 実績(2025年度新規開業実態調査) |
|---|---|---|
| 融資限度額 | 7,200万円 | 金融機関等からの借入は平均827万円 |
| 資金調達額 | — | 平均1,219万円(借入67.9%/自己資金22.9%) |
| 自己資金 | — | 平均279万円 |
| 開業費用 | — | 平均975万円/中央値600万円 |
| 返済期間(設備) | 20年以内(据置5年以内) | — |
| 返済期間(運転) | 10年以内(据置5年以内) | — |
| 利率 | 基準利率。要件により特別利率A〜C | — |
| 対象 | 新規開業または開業後おおむね7年以内 | — |
基本は基準利率が適用されます。ただし一定の要件を満たす場合、特別利率A〜Cが適用されます。
対象として挙げられているのは、女性、35歳未満、55歳以上の方、認定創業支援等事業の支援を受けた方、中小企業会計を適用している方、地域おこし協力隊員、Uターン者、ベンチャーキャピタルから出資を受けた方、各種交付金を受けた方、技術に新規性がある場合などです。
年齢や性別で該当する場合があるため、申込前に確認する価値があります。買取業の内容そのものより、申込者の属性で決まる部分が大きい項目です。
担保・保証人については、希望を聞いたうえで相談する扱いになっています。
対象要件に「適正な事業計画を策定しており、当該計画を遂行する能力が十分あると認められる方」とあります。計画の中身が審査の対象です。
買取業の計画で説明が要るのは、買取原資が運転資金として常時拘束される構造です。一般の小売業は仕入れを掛けで起こせますが、買取業は客にその場で現金を渡すため、支払いが先行します。この違いを説明できないと、必要額の根拠が伝わりません。
月間の買取予定額と、在庫が現金に戻るまでの日数を示せば、拘束される原資の額は計算で出せます。月100万円分を買い取る計画で拘束日数を約56日とすれば、常時187万円前後が動かせない資金になります。
古物商許可の取得見込みも前提条件です。手数料19,000円、標準処理期間約40日という工程を、開業スケジュールに織り込んだ計画になっているかが問われます。
この制度は「創業融資」と呼ばれることが多いため、開業前にしか使えないと考えられがちです。実際の対象は新たに事業を始める方、または事業開始後おおむね7年以内の方です。
つまり開業から数年が経ち、買取の規模を広げたい段階でも使えます。2店舗目を出す、出張買取を始める、買取原資を厚くするといった局面が該当します。
ただし対象要件には「適正な事業計画を策定しており、当該計画を遂行する能力が十分あると認められる方」という条件が付きます。開業済みであれば実績が判断材料になるため、計画の説得力は数字で示せます。
開業時に使わなかったからといって、選択肢から外さないでください。
公庫は自ら融資を行う政府系金融機関です。信用保証協会は融資をせず、民間金融機関からの借入に保証を付けます。役割が違うため、両方を使えます。
公庫の限度額は7,200万円、保証協会側は普通保証2億円・無担保保証8,000万円です。ただしどちらも上限であり、実際の調達額とは大きく異なります。公庫の調査では開業時の金融機関等からの借入は平均827万円でした。
保証協会付き融資では、金利のほかに保証料が発生します。料率は決算書の財務評価により9区分から決まり、責任共有の場合で0.45%から1.90%です。金利だけを比べると、実質的な負担を見誤ります。
開業時は公庫、事業が回り始めてから取引銀行との関係づくりのために保証協会付き融資、という順で組む例が多く見られます。
対象要件には「適正な事業計画を策定しており、当該計画を遂行する能力が十分あると認められる方」とあります。抽象的に見えますが、買取業では説明すべき点がはっきりしています。
第一に、仕入が現金前払いである構造です。一般の小売業は掛けで仕入れられますが、買取業は客にその場で現金を渡します。運転資金の必要額が大きくなる理由を、この違いから説明できます。
第二に、買い取った在庫が現金に戻るまでの日数です。中小企業実態基本調査から計算すると、従業者5人以下の小売業では平均55.9日でした。月間の買取予定額とこの日数から、常時拘束される原資の額は計算で出せます。
第三に、古物商許可の取得見込みです。手数料19,000円、標準処理期間約40日という工程が、開業スケジュールに織り込まれているかが問われます。計画の説得力は、金額の根拠を数字で示せるかで決まります。
| # | チェック項目 |
|---|---|
| 1 | 限度額7,200万円ではなく、実績の借入平均827万円を目安にしているか |
| 2 | 自己資金が調達額の2割程度(実績279万円)を確保できているか |
| 3 | 買取原資を運転資金として別枠で申請額に含めているか |
| 4 | 据置期間5年をどう使うかを、金利より先に検討したか |
| 5 | 開業初期に買取原資が最も重く拘束されることを計画に反映しているか |
| 6 | 特別利率A〜Cの対象要件(年齢・性別・認定支援など)に該当しないか確認したか |
| 7 | 事業計画で、買取業は支払いが先行する構造だと説明できているか |
| 8 | 古物商許可の取得工程(手数料19,000円・標準約40日)を計画に織り込んでいるか |
| 9 | 旧称「新規開業資金」で古い情報を参照していないか |
| 10 | 開業済みでも、事業開始後おおむね7年以内なら対象になることを把握しているか |
| 11 | 信用保証協会付き融資との併用を検討したか |
| 12 | 保証協会付き融資と比べるとき、保証料を含めた実質負担で見ているか |
融資限度額7,200万円を計画の出発点にしてしまうケースです。公庫自身の調査では、開業時の金融機関等からの借入は平均827万円でした。9倍近い開きがあります。限度額は上限であって目安ではありません。
据置期間を検討せずに金利だけを比較するケースです。買取業は開業初期に買取原資が最も重く拘束され、在庫が現金に戻るまで従業者5人以下の小売業では平均55.9日かかります。この局面で元金返済が始まると、買取原資を削って返済に回すことになり、買取額の縮小につながります。
買取原資を設備資金と混ぜて申請してしまうケースです。返済期間は設備資金20年以内、運転資金10年以内と異なります。買取原資は運転資金にあたるため、区分を分けて説明する必要があります。
| 質問 | 回答 |
|---|---|
| いくらまで借りられますか | 融資限度額は7,200万円ですが、これは上限であって借入可能額ではありません。公庫総合研究所の2025年度新規開業実態調査では、開業時の金融機関等からの借り入れは平均827万円でした。計画を立てるときは限度額ではなく、この実績値を目安にしてください。 |
| 自己資金はどれくらい必要ですか | 制度上の明確な下限は示されていませんが、同調査では開業時の資金調達額1,219万円のうち自己資金が平均279万円で、調達額の22.9%を占めていました。おおむね2割が実勢です。買取業では、この自己資金を内装や什器で使い切らず、買取原資として残せるかが開業後の動きやすさを左右します。 |
| 買取資金にも使えますか | 使えます。資金の使いみちは設備資金および運転資金とされており、買取原資は運転資金にあたります。ただし返済期間が設備資金20年以内、運転資金10年以内と異なるため、申請時に区分を分けて説明してください。 |
| 据置期間はどう考えればよいですか | 設備資金・運転資金とも5年以内で設定できます。買取業では開業初期に買取原資が最も重く拘束されるため、ここは金利より先に検討すべき項目です。従業者5人以下の小売業では在庫が現金に戻るまで平均55.9日かかり、回収が追いつくまで手元資金が減り続けます。この時期に元金返済が始まると、買取原資を削ることになります。 |
| 金利を下げる方法はありますか | 一定の要件を満たすと特別利率A〜Cが適用されます。対象として、女性、35歳未満、55歳以上の方、認定創業支援等事業の支援を受けた方、中小企業会計を適用している方、地域おこし協力隊員、Uターン者などが挙げられています。事業内容より申込者の属性で決まる部分が大きいため、申込前に該当しないか確認してください。 |
| 開業してから数年経っていますが、使えますか | 使えます。対象は新たに事業を始める方または事業開始後おおむね7年以内の方です。2店舗目の出店、出張買取の開始、買取原資の増強といった局面でも申し込めます。開業済みであれば実績が判断材料になるため、事業計画を数字で裏づけやすくなります。 |
この解決策が打ち手になりうる課題を7件挙げます。







扱う商材によって、不要品の発生量も、値段が付くかどうかも、どこに売られるかも変わります。日本政策金融公庫の創業融資をジャンル別に見たページを用意しています。
店舗を構えるか、出張に出るか、宅配で受けるか。買取形式によって前提となる商圏も、かかる規制も変わります。


