
旧称は「IT導入補助金」です。現在はデジタル化・AI導入補助金2026、正式名称は中小企業デジタル化・AI導入支援事業費補助金となっています。
旧称のまま書かれた解説記事が多く残っています。制度名が変わっているということは、要件や枠組みも見直されている可能性があるということです。旧称で検索して出てきた情報は、そのまま使わずに現行の公募要領で確認してください。
申請枠は、通常枠、インボイス枠(インボイス対応類型・電子取引類型)、セキュリティ対策推進枠、複数者連携デジタル化・AI導入枠に分かれます。以下は通常枠の内容です。
通常枠の補助額は、導入するITツールが担う業務プロセスの数で二段階に分かれます。
業務プロセスが1つ以上の場合は、5万円以上150万円未満。4つ以上の場合は、150万円以上450万円以下です。
つまり単機能のツールを1つ入れるだけでは150万円が上限で、複数の業務プロセスをまたぐシステムを導入して初めて上の枠に入ります。買取業なら、査定・在庫管理・顧客管理・販売を1つのシステムで扱うような構成が該当します。
補助率は1/2以内です。ただし条件を満たす場合は2/3以内に引き上げられます。条件は、令和6年10月から令和7年9月までの間で3か月以上、「当該期間における地域別最低賃金以上〜令和7年度改定の地域別最低賃金未満」の帯で雇用している従業員が全従業員の30%以上であることを示した場合です。
必須の経費は、ソフトウェア購入費とクラウド利用料(最大2年分)です。この2つのいずれかを含まない申請は成立しません。
任意で加えられるのは、機能拡張、データ連携ツール、セキュリティ、導入コンサルティング・活用コンサルティング、導入設定・マニュアル作成・導入研修、保守サポートです。
つまりこの制度はソフトウェアとその導入支援が中心です。ソフトを動かすためのパソコンやタブレットといったハードウェアが同じ扱いになるかは、通常枠のページには明記されていません。ハードを含めたい場合は、申請前に公募要領で対象経費の範囲を確認してください。
ここが小規模事業者持続化補助金との分かれ目になります。持続化補助金は、パソコン等を汎用性が高く目的外使用になりうるものとして明示的に除外しています。査定用のパソコンを持続化補助金で買うことはできません。
| 導入したいもの | 使う制度 | 補助率 | 補助額 |
|---|---|---|---|
| POS・在庫管理システム | デジタル化・AI導入補助金 | 1/2以内(条件次第2/3) | 5万〜450万円 |
| CRM・顧客管理システム | デジタル化・AI導入補助金 | 同上 | 同上 |
| 査定ツール・真贋判定ツール | デジタル化・AI導入補助金 | 同上 | 同上 |
| 折込チラシ・看板 | 持続化補助金 | 2/3 | 上限50万円(特例で最大250万円) |
| 買取サイトの制作 | 持続化補助金 | 2/3 | 同上 |
| 査定用パソコン | 持続化補助金は対象外 | — | 公募要領で範囲確認が必要 |
| 出張買取の車両 | どちらも対象外 | — | 融資・リースで検討 |
| 買取原資(仕入資金) | どちらも対象外 | — | 融資で対応 |
買取業でよく検討されるのは、この制度と小規模事業者持続化補助金です。目的が違うため、対象になるものが分かれます。
販路開拓なら持続化補助金です。チラシ・看板は広報費、買取サイトの制作はウェブサイト関連費で対象になります。補助率2/3、上限50万円(特例で最大250万円)。
システム導入ならデジタル化・AI導入補助金です。POS・在庫管理システム、CRM、査定ツール、真贋判定ツールといったソフトウェアが対象になります。補助率1/2(条件次第で2/3)、5万円から450万円。
上限額はこちらのほうが大きく、補助率は持続化補助金のほうが高いという関係です。導入するものの性質で選ぶことになります。
なおどちらも買取原資には使えません。 仕入資金は補助金の対象外で、融資で対応する領域です。
締切は回次制で動きます。確認時点で5次締切は2026年9月29日(火)17:00でした。回次ごとにスケジュールが変わるため、公式ページで最新を確認してください。
補助対象者は「中小企業・小規模事業者等」とされていますが、具体的な要件は公募要領側に記載されています。業種ごとの規模要件を含め、申請前に確認が必要です。
システム導入は、補助金が下りるかどうかより、入れたあとに使い続けられるかで成否が決まります。クラウド利用料が補助対象になるのは最大2年分です。3年目以降は自社負担になるため、補助が切れたあとも維持できる月額かを先に確認してください。
通常枠の補助額は、導入するITツールが担う業務プロセスの数で二段階に分かれます。1つ以上なら5万円以上150万円未満、4つ以上なら150万円以上450万円以下です。上限が3倍違います。
つまり単機能のツールを1つ入れる構成では、150万円未満の枠にしか入りません。450万円の枠を使うには、4つ以上の業務プロセスをまたぐ構成が必要です。
買取業で業務プロセスを数えるなら、査定、在庫管理、顧客管理、販売、古物台帳の記帳、相場の取得といった単位が候補になります。これらを別々のツールで賄うか、1つのシステムでまとめるかで、申請できる枠が変わります。
どのプロセスが対象として数えられるかは公募要領の定義によります。申請前に、導入予定のツールがいくつのプロセスを担うと整理されるかを、支援事業者と確認してください。
申請枠は通常枠だけではありません。インボイス枠(インボイス対応類型・電子取引類型)、セキュリティ対策推進枠、複数者連携デジタル化・AI導入枠が用意されています。
インボイス枠は、適格請求書等保存方式への対応を目的とした枠です。買取業でも、法人からの仕入や法人向け販売がある場合には関わってきます。
セキュリティ対策推進枠は、サイバー攻撃への対策を目的とした枠です。買取業は本人確認の情報と古物台帳を保有するため、扱う個人情報の性質から検討する余地があります。古物営業法第16条により、相手方の住所・氏名・職業・年齢を記載した帳簿等を、第18条第1項により最終記載の日から3年間備え付ける必要があります。
複数者連携枠は、複数の事業者が連携してデジタル化に取り組む場合の枠です。通常枠で条件が合わなくても、目的別の枠なら該当することがあります。 申請前に枠の一覧を確認してください。
| # | チェック項目 |
|---|---|
| 1 | 旧称「IT導入補助金」の情報で計画していないか |
| 2 | 導入するツールが担う業務プロセス数を数えたか(1つ以上か4つ以上かで上限が変わる) |
| 3 | ソフトウェア購入費またはクラウド利用料を必須経費として含んでいるか |
| 4 | ハードウェアを含めたい場合、公募要領で対象範囲を確認したか |
| 5 | 販路開拓なら持続化補助金、システム導入ならこちら、と使い分けているか |
| 6 | 買取原資を補助金で賄う前提を置いていないか |
| 7 | クラウド利用料の補助が最大2年分であることを踏まえ、3年目以降の自社負担を試算したか |
| 8 | 申請時点の公募要領で補助額・補助率・締切を確認したか |
| 9 | 導入予定のツールが担う業務プロセスの数を、公募要領の定義で確認したか |
| 10 | 4つ以上の枠を狙うなら、査定・在庫・顧客・販売などをまたぐ構成になっているか |
旧称「IT導入補助金」で検索した情報をそのまま使うケースです。現在の名称はデジタル化・AI導入補助金2026、正式名称は中小企業デジタル化・AI導入支援事業費補助金です。名称が変わっているということは枠組みも見直されている可能性があるため、現行の公募要領で確認してください。
単機能のツールを1つ導入して450万円の上限を想定するケースです。450万円の枠に入るには業務プロセスが4つ以上必要で、1つ以上の場合の上限は150万円未満です。査定・在庫・顧客・販売をまたぐ構成かどうかで枠が変わります。
補助が切れたあとの負担を見ずに導入するケースです。クラウド利用料の補助対象は最大2年分で、3年目以降は全額自社負担になります。補助込みの月額で判断すると、3年目に維持できなくなります。
| 質問 | 回答 |
|---|---|
| IT導入補助金という名前ではないのですか | 旧称です。現在はデジタル化・AI導入補助金2026、正式名称は中小企業デジタル化・AI導入支援事業費補助金となっています。旧称のまま書かれた解説が多く残っているため、要件を確認するときは現行の公募要領を参照してください。 |
| いくら補助されますか | 通常枠では、導入するITツールが担う業務プロセスが1つ以上の場合で5万円以上150万円未満、4つ以上の場合で150万円以上450万円以下です。補助率は1/2以内で、一定の条件を満たす場合は2/3以内に引き上げられます。 |
| 査定用のパソコンは買えますか | この制度の必須経費はソフトウェア購入費とクラウド利用料で、ハードウェアの扱いは通常枠のページに明記されていません。申請前に公募要領で対象経費の範囲を確認してください。なお小規模事業者持続化補助金では、パソコン等は汎用性が高く目的外使用になりうるものとして明示的に除外されています。 |
| 持続化補助金とどちらを使うべきですか | 導入するものの性質で分かれます。チラシ・看板・サイト制作といった販路開拓なら持続化補助金(補助率2/3、上限50万円、特例で最大250万円)、POS・在庫管理・CRM・査定ツールといったシステム導入ならこちら(補助率1/2〜2/3、5万〜450万円)です。上限額はこちらが大きく、補助率は持続化補助金が高いという関係になります。 |
| 買取資金には使えますか | 使えません。この制度も持続化補助金も、仕入資金や運転資金は対象外です。買取原資が不足している場合は、日本政策金融公庫の融資や信用保証協会付き融資が検討対象になります。 |
| 通常枠の条件に合わない場合、他に枠はありますか | あります。インボイス枠(インボイス対応類型・電子取引類型)、セキュリティ対策推進枠、複数者連携デジタル化・AI導入枠が用意されています。買取業では、法人取引がある場合はインボイス枠、本人確認情報と古物台帳を扱う性質からセキュリティ対策推進枠が検討対象になります。古物営業法第16条により相手方の住所・氏名・職業・年齢を帳簿等に記載し、第18条第1項により最終記載の日から3年間備え付ける必要があるためです。 |
| 古物台帳をデジタル化するのに使えますか | 必須経費がソフトウェア購入費とクラウド利用料なので、古物台帳を扱うシステムは経費の区分としては範囲に入ります。古物営業法第16条は取引の記録を帳簿等に記載することを、第18条はこれを3年間保存することを義務づけており、対象になりやすい領域です。ただし補助されるかは、そのソフトが公募要領で登録された対象ツールかどうかで決まります。自社で開発する場合や、対象として登録されていないツールは対象外です。補助は後払いのため、いったん全額を支払う必要がある点も踏まえてください。 |
この解決策が打ち手になりうる課題を12件挙げます。












扱う商材によって、不要品の発生量も、値段が付くかどうかも、どこに売られるかも変わります。デジタル化・AI導入補助金をジャンル別に見たページを用意しています。
店舗を構えるか、出張に出るか、宅配で受けるか。買取形式によって前提となる商圏も、かかる規制も変わります。


