2026/10/14

ワンディー株式会社

ワンディー株式会社

従業員数:29名

ワンディーは、歯科医療従事者向けのプラットフォーム「1D」を運営し、セミナー配信や有料会員サービスを提供しています。


抱えていた課題

無料会員から有料会員への転換が進んだあと、伸び率が鈍化していた
2024年初めに広告へ振り切り、SEOの優先度が下がったままになっていた
検索ボリュームが小さくドメイン知識も求められる業界で、SEOが有料会員の増加に効くのか判断がつかなかった

実施した施策

対策キーワードのマッピングに約2ヶ月。歯科医師・歯科衛生士・歯科技工士のどの職種が検索しているかで軸を引き直した
キーワードごとにタイトルの設計まで踏み込んだ基礎的なSEO対策を実施
生成AIを活用し、約6,000記事を制作
有料会員の増加から逆算したシミュレーションを、前提が崩れるたびに組み直し

施策の効果

対策キーワードの1ページ目掲載比率が約20%から約70%に
半減していたメディアのPVが倍になり、元の水準まで回復(現在も同水準)
コンバージョンにつながるクエリの傾向が社内に残り、リスティング広告の出稿に反映
記事制作の依頼は1年数ヶ月のうち約2ヶ月。SEOの設計が社内に蓄積され、他プロダクトの開発にも展開

ワンディー株式会社は、歯科医療従事者向けのプラットフォーム「1D」を運営しています。Marche株式会社は、有料会員の獲得を目的としたSEO支援を1年数ヶ月にわたって担当し、対策キーワードの1ページ目掲載比率を約20%から約70%まで引き上げました。今回は、相澤さんに、依頼前の状況から、シミュレーションが崩れた局面での立て直し、そして支援を終えた現在についてお話を伺いました。


 

 

【プロフィール】
執行役員     相澤 研吾氏

デンタルプラットフォーム事業部マーケティング部長として「1Dプレミアム」の立ち上げおよびグロースを牽引。

 

2018年から積み上げたメディアで、2024年は広告に振り切った。SEOは一度止まっていた

ーー はじめに、1Dの事業内容を教えてください。

相澤さん:

弊社は歯科医療従事者向けのサービスを運営しています。2018年に歯科医療メディアを立ち上げ、歯科業界の方々にニュースを配信するところから始まりました。

歯科は、有資格者の多くが一人で診療にあたっている業界です。学ぶ機会も新しい情報も、自分で取りに行くしかない。だからこそ、情報が届く基盤を先に整える必要があると考えました。

コロナ禍で学会などの学習機会がなくなったタイミングで、オンラインでのセミナー配信を始めています。それが有料会員サービスに育ち、いまは主幹事業の1つになりました。この先はカルテの電子化や臨床支援のサービスにつなげていきたいと考えています。

ーー Marcheに声をかけていただいた当時は、広告に振り切っていた時期でしたね。

相澤さん:

メディアに人が集まってきた段階では、無料会員の方々がセミナーに加入してくださるようになり、順調でした。ただ伸び率が厳しくなってきたところで、2024年の初めから一気に広告へ振り切っています。その頃からSEOの優先度は下がったままになっていました。

広告をひととおり使い切ったあとに、SEOでも取れたら嬉しい、という話が社内で出ます。とはいえSEOは、検索流入さえ増やせばいいものだと捉えられやすい領域です。流入を増やすこと自体は取り組んできた自負がありましたし、流入を増やすだけでは有料会員が増えないことも経験上わかっていました。正直、SEOはもう厳しいかもしれないと思っていた時期です。紹介でお会いして、もしかしたらいけるかもしれない、という感覚でお願いしたのが始まりでした。

記事本数ではなく、有料会員が何人増えるか。最初の2ヶ月をキーワードのマッピングに充てた

ーー 他社からもSEOの提案は届いていたと思います。何が違って見えましたか。

相澤さん:

有料会員をどう増やすかという数字の組み立てから入ってきたことです。記事をたくさん作りましょう、ではなく、こういう検索をしているユーザーがこれくらいいるとすると、これくらいのコンバージョンにはつながるはずだ、という話でした。

マネタイズポイントに対してSEOがどれだけ貢献するのか。広告を動かしていると、どうしても直接コンバージョンで測ることになるので、ここに向き合える相手は多くないと感じていました。施策の筋の良さと、数字を出すことへの本気度が伝わってきたのが決め手です。

ーー その組み立てを踏まえて、最初に取り組んだのが対策キーワードのマッピングでした。

相澤さん:

歯科業界の難しいところは、ニッチで検索ボリュームがそもそも世の中に多くないことと、ドメイン知識が求められることです。マッピングは簡単ではないと考えていましたが、2ヶ月ほどかけて、軸とボリュームの取り方を何度も変えながら進めていただきました。

印象的だったのは、このキーワードを調べているのは歯科医師なのか、歯科衛生士なのかという議論を何度もしたことです。ボリュームがあるキーワードと、コンバージョンにつながるキーワードは同じではない。歯科技工士のほうが実は勉強しているかもしれない、といった話をしながら、ではこのキーワードは取りに行こうと決めていきました。

シミュレーション通りにはいかない。何度も前提を置き直せるかどうかが分かれ目だった

ーー そうして立てた数字の前提を、その後は何度も置き直すことになりました。

相澤さん:

置き直しは正しい進め方でした。最初に出したシミュレーションどおりにいかないことのほうが多いので、立て直せる会社かどうかが、SEOを依頼するうえでは大事だと思っています。

むしろ何度も立て直されるべきで、立て直していく中でやることがなくなるところまでやり切れるかどうかだと考えています。置いていた前提が無理だとわかったり、想定と違う数字が出たのでここは撤退だと判断したり、ということが何度もありましたが、そのたびに組み直せました。今回はある程度やり切ったので、支援は終了という形になっています。

ーー 置き直しの原因の1つが、コンバージョンにつながったクエリを特定しきれないことでした。

相澤さん:

シミュレーションの段階では、このキーワード群でこれくらいコンバージョンが出たら嬉しい、という置き方をしていました。それが出ているのかどうかわからない、となったときに、まずシミュレーションを立て直せる相手だったことが大きかったです。

もう1つは、どれだけパネルを切れるかだと考えています。最初に作っていただいたときは、サイト全体のオーガニック経由のコンバージョンが何件だったかを、ディレクトリに分け、キーワードに分け、そのキーワードごとにどれくらいの流入が出ているのかまで追っていきました。思ったとおりの可視化ができたわけではありませんが、掘りきれないところまで掘り続けてもらえました。

対策キーワードの1ページ目比率は20%から70%へ。6,000記事でPVは元の水準に戻った

ーー 可視化しきれなかった部分がある一方で、打ち手のほうで印象に残っているものを教えてください。

相澤さん:

まず、基礎的なSEO対策でここまで伸びることに驚きました。h1タグのような要素は意識してサイトを作ってきたつもりでしたが、キーワードごとにタイトルへ何を入れるかまで細かく詰めていただいています。

もう1つは、ChatGPTが出たての頃に6,000記事ほど作っていただいたことです。工夫なのか根性なのかわからないところもありますが(笑)、ディープリサーチを使って1本あたり何分かかるのかという工程を、ずっと回してくださっていました。

ーー その2つが、数字としてはどこに出ましたか。

相澤さん:

対策キーワードのうち1ページ目に入っていたものが、最初は20%ほどでした。それを70%ほどまで引き上げていただいたことが、メディアを運営している会社としては一番重要でした。PVも、半分ほどまで落ちていたところから倍になって元の水準に戻り、いまもその水準を保っています。

コンバージョンが出ていたクエリについても、ある程度は見えてきました。わかったクエリに対してリスティング広告をいまも出せているので、掘っていた過程で得たものは弊社の肌感として残っています。SEOとリスティングをミックスで見ていたことも良かったです。

記事制作の依頼は2ヶ月。開発チームにも判断軸が残り、SEOの話は社内で出なくなった

ーー 数字とは別に、社内に残ったものもありました。まずは開発チームからうかがえますか。

相澤さん:

開発のメンバーからは、これがSEOに効くのかという発見がたくさん出ていました。それがきちんと学習されて、いま別のプロダクトを何本か作っている中でも、SEOを意識した開発が標準になっています。

一方で、既存プロダクトの構造上、形の大きく異なるページを差し込むには社内で仕様をすり合わせる時間が必要でした。タグごとにCVRを上げるためのページを作っていただいたときは、そこに時間をかけています。ゼロベースの案が出てくること自体は、受け止める設計さえあれば強い材料になると感じた場面です。

ーー 毎月キーワードを提案して記事を納品する、という進め方にはしませんでした。記事制作をお願いしたのは、1年数ヶ月の取り組みのうち2ヶ月ほどです。

相澤さん:

そのとおりで、あとはSEOとは何かに常に向き合っていました。毎月10キーワードの提案と10記事の納品という進め方であれば、作る側と受け取る側のままだったと思います。

このディレクトリからコンバージョンが出るはず、出ないはず、SEOの観点ならこういうページ構成にすべき、というところを一緒に決めていったので、社内でも判断できるようになりました。いまはSEOの話が社内で出てくることはほとんどありません。ここまでやったので、次は集まった無料会員をどう活かすかという議論に移っています。

ーー その次のフェーズも含めて、今後うかがえますか。

相澤さん:

トータルでは良かったと考えています。ニッチで特殊なドメインのサービスは、可視化するのも構造的に理解するのも難しい。そこに対して、ヒアリングを重ねながら伴走し続けてくれる相手が大事だと改めて感じましたし、その結果としていまも成果が出続けているのはありがたいです。

弊社としては、歯科業界の根幹に食い込むビジネスを作っていきたいと考えています。SEOやLLMOは切り離せない存在なので、その都度相談していきたいです。特に、歯科医院が患者さんを集める支援はtoCでメディア的な要素が求められる領域なので、そのあたりはぜひお願いしたいと思っています。

ーー本日は貴重なお話をありがとうございました!

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