株式会社ROXX
株式会社ROXX
従業員数:140名
「時代の転換点を創る」をミッションとし、日本初の月額制オンライン型リファレンスチェックサービス『back check』、人材紹介会社向けのクラウド求人データベース『agent bank』を運営。
マーケティングが分かる専門人材の不足
それによりCOOがマーケティングの立て直しにアサイン
広告施策の見直しと配信設定の変更
LPOによるCVRの改善
広告経由の獲得を最大化し月の獲得数を2.2倍まで改善
COOが2ヶ月でプロジェクトから外れ次のミッションへ
マーケティング部署立て直しミッションを担ったCOOが、2ヶ月で現場に任せきるまで〜『back check』エンタープライズシフト成功の舞台裏の舞台裏〜
「時代の転換点を創る」をミッションとする株式会社ROXXが運営するback checkは、日本初の月額制オンライン型リファレンスチェックサービス。面接ではわからない採用候補者の実績や評価をオンラインで照会することができます。リファレンスチェックとは、「採用候補者の働く姿」について、候補者と一緒に働いたことのある元上司や元同僚から評価を得ることです。等身大の候補者を知ることで、採用のミスマッチを未然に防ぐことが可能になります。
back checkは「信頼が価値を持ち、信頼によって報われる社会の実装」というビジョンのもと、「2030年までにARR100億超のプロダクトとする」という大きな目標を掲げています。
そこで今回は、ROXXのCOO・山田浩輝さんとwebマーケティング担当・石岡将明さんに、Marcheと提携したきっかけや、Marche と施策を進めていってどうだったかについてお伺いしました。
【プロフィール】
山田 浩輝(やまだ ひろき)
青山学院大学3年時に、代表の中嶋汰朗と共に株式会社RENO(現株式会社ROXX)を創業し、取締役COOに就任。創業から5年間、管理部門の責任者を務めながら新規事業責任者として『agent bank』『back check』の事業立ち上げを実行。
石岡 将明(いしおか まさあき)
数多くのベンチャーでエンジニアを経験したのちフリーランスを経て、ROXXに入社。『back check』の開発責任者として、事業立ち上げに携わる。現在は開発責任者を離れ、マーケティングの立て直しに専念。
ROXXマーケティングチームの魅力は、タクシー広告などの認知施策でまだ未発展な市場をスタートアップとして切り開く挑戦にある
ーー本日はよろしくお願いします。まずは、読者の方に向けてサービスの魅力について教えて下さい。
山田:back checkは単に生産性を上げることに焦点を当てるのではなく、採用のあり方を根底から変えるサービスだと思っています。リファレンスチェックと聞くと、候補者のネガティブな点を見つけ出すというイメージを持つ人が多く居ますが、back checkではプラスの面も見つけることができます。実際のリファレンスレポートにはポジティブなコメントも本当に多く、一種の推薦状としても活用できます。
リファレンスチェックの本質は、個人の正しい姿を理解することです。だからこそミスマッチも減り、候補者が最も活躍できる配置もできるようになります。back checkは個人にとっても、強みを伸ばして個性のあるキャリアを築くためのひとつのきっかけになってくれると思っています。
ーーマーケティングとしての魅力と、難しさを教えてください。
石岡:リファレンスチェック自体、アメリカなどの海外や外資系企業では一般的ですが、日本ではまだ新しいものという位置づけです。誰もが知っている訳ではないので、まだない市場を切り拓く面白さを感じると同時に、難しさも感じています。
求職者の周りの人にこっそりその人の評価を聞いているのではないかと言うようなネガティブなイメージもあるので、企業だけでなく候補者・推薦者にも正しい知識を提供しつつ、公平でクリーンな候補者のためにもなるサービス、ということを伝える点も難しいと感じますね。
まだ世の中に認知されていないサービスだからこそ、タクシー広告等の認知広告を早い段階から行いつつ、市場への啓蒙活動それ自体がマーケティング活動になると思っています。
また、サービスの特性上、人を採用したい企業、候補者、推薦者の3種類のユーザーがサイトを訪れます。なので、企業のリード獲得目的のメディアを運営しても、読んでいるのが候補者だから全くCVに繋がらない、といったこともあります。3種類のユーザーを全て合算した数値を分析している形になってしまっているので、そのような点での難しさもあります。
Marche導入のきっかけは、「地獄を知っているから任せられる」と思ったから。実際に、今までで一番速くロジカルに成果が出た
ーー今期Marcheと取り組みを行った際に感じていた組織としての課題を教えて下さい。
山田:今まで会社で行ってきたマーケティング活動を見直し、back checkとして正しく出来ているかという視点で見直したいと考えていました。
当時から、この会社はマーケティングに伸びしろがあるという認識はしていたので、私自身がマーケティング部門に入ると決めました。また、石岡がディレクターとしてアサインし、組織をゼロから立て直すことにしました。
石岡とは創業期からの仲で、信頼できるビジネスマンであるものの、エンジニアリングやPMも行っていたことから、マーケティングの専門的な知識や経験が豊富なわけではありませんでした。そのため、マーケティングの方向性を見つめ直すために、マーケティング領域でエクスパティを持っている人を探していました。
ーー投資家からの紹介で、Marcheを知っていただいたということでしたが、Marcheに依頼する決め手は何でしたか?
山田:Skyland Venturesの木下さんから水島さんをご紹介いただきました。水島さんの古巣のKAUMOが弊社と同時期に創業し、Skyland Venturesから投資をもらっていたことで、一番泥臭い時代をお互い意識し合いながら過ごしていた会社でした。
ならば、”地獄”を知っているだろう、と思いました。
また、水島さんとお話したときに、社外の人間ではなく社内のメンバーとして一緒に働けるイメージが湧いたこともポイントでした。カルチャーフィットしているなという感覚もありました。
ーーそうですね。実際、施策でもこれは続ける、これは辞める、ということをスタートアップの基準で判断できたことは良かったと思います。カルチャーフィットというのは、具体的にどういうことでしょうか?
山田:思考を好むということだと思います。あと、変態性を個性と捉えてくれるかどうか(笑) 。人間って本来、考えたくない生き物じゃないですか。なのに、考えなきゃいけない状況を好んでいるな、という人は弊社に合っていると思います。あと、そういう変態的な思考回路を持っていることを、個性だと思ってくれることは私たちにとってとても大事です。
ーー山田さんとのやり取りで、契約前に「うちの会社だとどのくらいまで成果出せそうですか?」と聞かれたことが印象に残っています。試されてるな、と思いました(笑)。そのお話と比較して、実際に走り出したあとはいかがでしたか?
山田:想定通り。それ以上でもそれ以下でもないです。お願いするときにはこれぐらいやってくれるだろう、と思っていましたし、アウトプットを見ても特に違和感もなくしっかりと成果も出てきていたので、本当に想定通りでした。
石岡:山田さんはこう言いますが、想定とズレがないっていうのは、すごいことだと思いますよ。やはり求められるレベルは高いですし、3ヶ月で成果を出してほしい、というオーダーも鬼だと思います。ここまで伸ばしますと提案いただいて、それ通りやられた会社は初めてでしたし、やはりすごいと思います。
これまで、リスティングで何回かベンダーにお願いしてきました。その中で、一番、速く、ロジカルに成果が出たと思っています。広告だけでなくLPの改善も含めて今までずっと本質的な提案をしてくれていたと思っていて、そういう意味でも信頼できてやりやすかったですね。
「2ヶ月であとは任せられる」と判断ができたからこそ、COOとしての次のミッションに向かうことができた
ーー3ヶ月で成果を出して欲しいというのは初めてのオーダーだったので、本気でおっしゃっているのか?とは思いました。そのあと2ヶ月で山田さんがミーティングから外れたと思うのですが、社内では何があったのでしょうか?
山田:水島さんと石岡の会話を聞いていて違和感がないと思えたので、ミーティングから抜けました。予算だけ聞いてくれれば後は任せた、という状態でしたね。
自分と同じ感覚で改善が回る状態になっていれば、私が居ても居なくても変わらないと思って。水島さんがROXXフィットした、といいますか。放置してもきちんと改善が回る体制だったので、私はback checkのエンタープライズ戦略及び体制構築に時間を使うようになりました。
石岡:水島さんと僕が相性よく仕事ができたことと、2か月で山田さんの信頼を勝ち取れたことがよかったのだと思います。数値の部分や、提案と発言の面はもちろんですし、ROXXの考え方や基本方針をおさえてもらったというのも大きいですね。僕自身、仕事のコミュニケーションで納得が行かないことが多いとストレスが溜まるのですが、ストレスフリーに仕事できています。
エンタープライズ戦略に勝機。6ヶ月でエンタープライズシフト成功の舞台裏の舞台裏
ーー山田さんがマーケティングから外れた後に取り組まれたエンタープライズ化ですが、具体的に何をされたのですか?
山田:ARR3億円の壁を突破するために始めたスタートアップターゲット依存からの脱却と事業戦略としてのエンタープライズ化ですが、試行錯誤をしながら様々な施策に取り組みました。今振り返ると、半年間でエンタープライズシフトを実現するために必須だったSTEPは9つあったと思っています。詳しくは下のnoteに纏めているので、是非目を通してください。
「back check」6ヶ月間でエンタープライズシフト成功の舞台裏|山田浩輝(@ROXX_yamada)|note
ーーアプローチ層が今までとは180度違っていますが、大変だった点はありましたか?
山田:今までやっていたマーケが1mmも通用せず、0ベースで施策を考えなければいけませんでした。短期間で生半可なことをやっても結果が出ないので、数か月悩みました。
エンタープライズだと、The Modelの1リード、1企業、1商談、というのが通用しません。たくさんのリードを集めて、何回も商談を重ねてどこかでストンと受注になります。クライアントの規模が大きくなると、賛成と同じくらい大きな反対の声も社内で上がるので、今までよりもっと広くて長い軸で考えなければならなかったのです。
ーーマーケティング面での今後の目標を教えてください。
山田:ナーチャリングに対する組織としての強化が課題と言えます。今後は、セミナー1つ取ってもインパクトをしっかり想定し、顧客が動く瞬間をデザインしていくことが大切です。各ナーチャリング施策を再現性高く、かつ低予算で行い商談に繋げていくことが、今のマーケティングにおいて一番重要だと思っています。
石岡:そうですね。資料請求のCVR上昇だけでなく、いかに色々な所で関係値、接点の幅を広げていく動きをできるかが大事ですね。マーケだけではなく、他の部署も巻き込んで一緒にやっていきたいと思っています。エンタープライズ戦略は、他部署を巻き込んだ総力戦になっていくと思います。
――山田さん、石岡さん、ありがとうございました。