パナリット株式会社

パナリット株式会社

パナリットは、世界の先進企業が抱える「人と組織の見えない課題」を、統合データによって解決するピープルアナリティクスツールを開発・提供しています。


抱えていた課題

日本市場の未熟さと、正しい啓蒙活動の必要性
問い合わせにつながる導線が整っておらず、コーポレートサイトが有効に機能していなかった
限られたリソースの中で、少数精鋭のマーケティング体制を築く必要があった

実施した施策

日本市場向けにサイトを全面リニューアル(デザイン、導線、メッセージ設計)
広告運用、LPO、コンテンツマーケティングなどの企画および実行
ホワイトペーパーの企画・制作(エンタープライズ向け)

施策の効果

サイトリニューアル後、問い合わせ数が急増し、採用にもつながるなど波及効果が大きく発現
広告からのリード獲得効率が大幅に改善し、限られた予算で最大限のROIを実現
ホワイトペーパー経由で、対象顧客からの反応率が約7割を記録
マーケ施策の運用とナレッジが社内に蓄積され、COO自らが継続運用できる体制へと進化

パナリット株式会社は、世界の先進企業が抱える「人と組織の見えない課題」を、統合データによって解決するピープルアナリティクスツールを開発・提供しています。


 

 

プロフィール】

小川 高子

新卒でワークスアプリケーションズに入社。Google Japanに転職後は採用·人材開発業務に従事し、2015年よりGoogle 米国本社にてStrategy & Ops部における Sr.プロジェクトマネジャーとして、Googleの全社的な人事制度改革、人事戦略業務に従事。2014年のAPAC People Operationsサミットで MOST INNOVATIVE & CREATIVE AWARDを受賞

トラン・チー

BCG・リクルートホールディングス・Googleを通じて約15年間、主に営業・マーケティング・事業開発領域において、顧客企業のDX推進 (特にデータに基づく KPI マネジメントへの変革) を支援。パナリットでは日本法人の立ち上げ以降「人事がデータを駆使して経営に貢献する」支援を100社以上に展開。著書「人的資本経営 実務ハンドブック(中央経済社)」

グローバルSaaSの日本展開に挑んだ創業メンバー2人が選んだ、マーケティングパートナーとは

ーー Marcheに依頼した背景を教えてください。

トランさん

Marche代表の水島さんとは前職の同僚で、部署は違いましたが「尖っている」ことは知っていました。そんな中、グロービス・キャピタル・パートナーズの堀江さんから「Marcheが投資先の支援でかなり成果を出している」と聞き、ちょうどマーケティングを始めようかというタイミングで水島さんに連絡を取りました。

トランさん

「久しぶりに3人で話そう」と声をかけて、軽く雑談のつもりで話し始めたのですが、水島さんのプレゼンの解像度が非常に高かったため、彼にお願いしたらいいと確信しました。

ーー 実際に、水島の提案で特に印象に残った点は何でしたか?

小川さん:

私も小川もGoogleの出身なので、Googleを使ったマーケティングについては実務経験こそありませんが、ある程度の知識は持っていました。

そんな中で、「検索連動型広告でコンバージョンが出るキーワードをSEOで取りに行く」という考え方や、「まずはすべてのマーケティング施策が集約されるLP(ランディングページ)の改善から着手すべき」という提案は、事業側の視点から見ても非常に納得感がありました。

特に、「会社の知名度が上がってしまうと、会社を知っていたから問い合わせをしてくれたのか、それともサービス自体に魅力を感じて問い合わせをしてくれたのかが分からなくなる」という指摘は、マーケティング施策の優先順位や効果測定の観点からも重要だと感じました。

ーー 依頼の決め手になったポイントは?

小川さん

マーケティングは非常に幅広く、取り組める施策も多岐にわたりますが、スタートアップそれぞれのステージで相性の良い施策や、予算感に合った実施内容は変化していきます。
その中で、MarcheはデジタルやSNSなど含め、幅広い強みからスタートアップの各フェーズごとに合った施策と、それをまわせる異なるスキルを持つマーケターをチーム編成を繰り返しながらアサインしてくれるという話が特に印象に残りました。

とても合理的でしたし、これなら我々の限られたマーケティング予算でも最適解を提案してくれるだろうと信頼できました。

ローカライズしたサイトが反響を呼び、“採用”にも寄与

ーー当時のパナリットの状況を教えて下さい。

小川さん

パナリットはシンガポールで立ち上がった会社ですが、日本でもピープルアナリティクスの必要性を感じている企業が増えていると感じました。一方で、まだ普及は進んでいないというマーケット状況はチャンスだと考えました。

私たちは、「このサービスはいつか必ず必要とされる」と確信していたものの、当時は日本での知名度がまったくない状態でした。営業活動も人力で、限られた投資家ネットワークや友人・知人を回りながら市場を開拓している段階でした。

トランさん

Marcheには、単に翻訳ではなく「日本の企業が共感するコンテンツ構成」「フォーム導線の簡素化」「CTAの位置・テキストまで含めた改善提案」をしてもらいました。

ーープロジェクトはサイトリニューアルから始めましたね。

トランさん

Marcheには、単に翻訳ではなく「日本の企業が共感するコンテンツ構成」「フォーム導線の簡素化」「CTAの位置・テキストまで含めた改善提案」をしてもらいました。

ーーリニューアルをした後の反響を教えて下さい。

小川さん

問い合わせが目に見えて増えましたし、投資家や候補者からも「素敵なサイトですね」と言ってもらえることが増えました。

特に印象的だったのは、サイト経由で「パナリットに入りたいです」と連絡してきた方がいて、実際にその方を採用したこと。マーケティング施策が採用にも寄与することを実感した瞬間でした。

すぐにチームとして動けた一人目マーケターとしての活躍

ーーサイトリニューアル後は、どのような施策を実行されましたか?

トランさん

リスティング広告の運用です。私たちがターゲットとする企業は、ピープルアナリティクスのニーズが顕在化している一部の先進企業。つまり、「数を打って当てる」より「確率の高いリードをきちんと取りに行く」方が重要でした。

Marcheさんとは、キーワードの粒度やマッチタイプの調整、LPとの整合性までを細かくディスカッションしながら進めていきました。

ーー印象的だったことはありますか?

小川さん

印象的だったのは、水島さんが「このリードは商談につながりましたか?アポの質はどうでしたか?」と毎回確認してくれていたこと。単なるCV数やCPAの話だけで終わらせず、私たちと一緒に「事業としての成果」に向き合ってくれたのがありがたかったです。

トランさん

私たちが「リード来た!」って喜んでいると、「でも受注見込みはどうですか?」と冷静に突っ込んでくる。でもそれって、真剣に伴走してくれてるからこそであり、「チームの一員」になったと感じた瞬間でした。

最小限のコストでインパクトの大きい施策を打つことが出来た。

ーーFacebook広告を打っていたときのお話も聞かせて下さい。

トランさん

Facebook広告で苦戦していた時期があったんです。クリックはされるけど、商談につながらない。そんなとき水島さんから「エンタープライズ層に刺さるホワイトペーパーがあれば変わります」と言われて、自分で書くことになりました。

小川さん:

あのとき、トランは伊豆に籠もってずっと文豪みたいな週末過ごしてたよね(笑)

トランさん

エンタープライズの気になる情報について、みんなで週末籠もって執筆することを繰り返しているうちに、本当にエンタープライズに突き刺さるホワイトペーパーが1つ出来上がり、結果として、その資料を読んで問い合わせをしてくれる企業のうち3件に2件はターゲット企業という状態にまで仕上げられました。

小川さん:

限られた予算の中で、テンプレートをうまく活用しながら資料と広告クリエイティブをセットで検証していけたのもよかったですね。再現性のあるプロセスを構築できたと感じています。

スタートアップにとっては、マーケットの成熟によってマーケティングが不要な時期もある

ーー唐突ですが、契約が終わった後の事も教えてもらってもいいですか?

小川さん:

いろいろ考えた結果、資本政策の状況やマーケットの成熟度、それに商談から受注までにかかる期間の長さなどを鑑みて、マーケティング活動を一旦すべて停止するという決断をしました。水島くんにも本当に申し訳ないと思いつつ、このように伝えました。

リードを増やすよりも、温度感の低い商談を受注見込み客に変えていく、セールスプロセスの見直しがより急務だと判断したためです。

トランさん

水島くんから、成果が出ていた広告運用の方法だけを教わりました。その後、私はCOO兼マーケターを兼務することしました。

小川さん:

ハウスリストには、マーケティングを早期から実施していたこともあり、先進的な考えを持つリードが多く含まれていました。これらのリードが、人的資本開示に本腰を入れる時期が必ず来ると考えていました。そのタイミングが来るまで、マーケットの成熟を待ちながら、啓蒙活動に注力するという我慢の時期でした。

ーーあれからもうすぐ2年になりますかね

小川さん:

そうですね。あれから紆余曲折ありながらも、ほぼ通年黒字化に持っていくことができました!
会社の文化づくりにも注力していて、グローバルのメンバーも含めて9ヶ月に1度は全社オフサイトを実施しています。前回はディズニーランドで実施しました(笑)

https://note.com/takacoco_note/n/nbfaa10f4c596

ーー連絡もらったときは本当に嬉しくて飛び跳ねました!

小川さん:

Noteにも書きましたが、引き継いでからの9ヶ月間は「事業戦略の刷新」「技術負債の解消」「採用と組織の再編」「契約内容の見直し」と、会社総員であらゆる課題に取り組んできました。

その結果が今年後半にようやく見え始め、エンタープライズ企業を中心に売り上げトップライン上昇、かつ今後しばらくは資金調達に頼らずに事業を進められる見通しが立つほどに財政基盤を整えることができました。

トランさん

少しずつではありますが、事例やクリエイティブにこだわった情報発信を再開していきたいと考えています。

ーー今後チャレンジしたい施策はありますか?

トランさん

SEOは以前から実施したかったのですが、水島さんに時期尚早だと止められていました。
しかし、そろそろ着手しても良い頃だと考えています!また、将来的にはCRMにも取り組んでいきたいと思っています。ぜひまた一緒に仕掛けていけたら嬉しいです!

ーー2人とも本当にありがとうございます!これからも一緒によろしくお願いします!

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